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おはようございます。
「新しい地球を生きるための物語」です。
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「新しい地球を生きるための物語」
～夏休みの思い出を一枚の絵にした～
私は、まだ幼稚園生をやっていた。
ある夏休みが終わったころだったろうか、
幼稚園に行くと、夏休みの思い出という
題材で、絵を描くことになっていた。
私は、長い休みを思い出していく。
よくわからないが、夏休み中は、本当に
よく眠れた。
いつもは、気疲れをしているのか、変に
眠りが浅いのだ。
幼稚園生は、みんなよく眠るというのは、
嘘かもしれない。
私は、夏休みという長期休暇で、安心して
眠れるようになっていたのだ。
だからなのか、私は、おじいちゃんおばあちゃんの
家に行ったことを書くわけでもなく、お父さん
お母さんと牧場に行ったことを書くわけでもなく。
眠ったときに体験していた、私の故郷の
絵を描くことにした。
それは、一言で言えば宇宙だった。
宇宙での私、和（なごみ）だったのだ。
宇宙で、私がいて、多くの存在たちが
いた。
絵からもそれが調和を表現していることが、
わかる。
そこは、当たり前に調和のある世界
だった。
宇宙を描き、それは、しばらくの間、
幼稚園に飾られた。
先生も私に質問をした。
「どこに行ったの？」
私は、先生の耳元で「宇宙だよ」と言った。
先生は、それ以上私に何も聞かなかった。
「面白い子ね」
そうして、私の絵は、他の子どもたちと
同じように飾られた。
それを休日に、お父さんとお母さんが
観に来たのだ。
ふたりとも「なんだこれ？」と不思議そうに
していた。
「和は、ひとりで出かけたのかな？」
「うんうん、お父さんとお母さんも一緒だったよ」
私は、自然にそう答えていた。
【終わり】
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