皆さま
おはようございます。
「私たちの記憶を取り戻す物語」です。
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「私たちの記憶を取り戻す物語」
~コーヒーを淹れてくれるかね~
私は、丘の上の家にあるリビングで、
朝食の準備に取りかかっていた。
食パンは音を立てて焼かれ、卵も
ソーセージもバチバチと言っていた。
静かだったのは、コーヒーだけかも
しれない。
ただ豆の擦れる音は、私を落ち着かせて
くれた。
そうして、その朝食全体の香りが漂って
きたのだ。
それは、いつの日かの日常だった。
それを私にくっきりはっきりと思い出させて
くれる。
特に、コーヒーの香りは、私の思い出を
巻き戻してくれた。
そうだ、この家のこの部屋で、私は
フランクさんにもらったコーヒー豆で、
コーヒーを淹れて楽しむのが、日課
だったのだ。
「コーヒーを淹れてくれるかね」なんて、
ひとりで台詞のように、呟いていた。
もちろん、誰もそれに答える人もいないし、
勝手にコーヒーが出てくることもなかったが。
なんだか、この朝食で、私は目を覚まさせて
もらったのかもしれない。
たしかに、どこか空想の中で生き続けられたら、
楽しいなと思ったこともあるが。
私は、いてもたってもいられず、パンと
コーヒーを持って、あのウッドデッキへと
移動したのだ。