皆さま
おはようございます。
「私たちの記憶を取り戻す物語」です。
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「私たちの記憶を取り戻す物語」
~あの丘は、もしかして~
私は、家に帰っていた。
妻は、珍しく出かけてくると言って、
どこかへ出かけていった。
私は、よくよく考えると、この世界に
やってきて、ひとりになったことは
初めてかもしれない。
元いた世界では、ほとんどの時間を
ひとりで過ごしていたのに。
そんなことを考えた途端に、今日行った
丘のことを思い出していた。
そういえば、今日行った丘では、ところ
どころ、懐かしい感覚があったのだ。
具体的に思考はしなかったのも不思議だが、
よくよく考えてみる。
そうだ、元いた世界の丘の上とそっくり
だったのだ。
もちろん、私の住んでいた家もないし、
英国紳士のフランクさんが住んでいた
カラフルな家もなかった。
その代わりにカラフルな蝶々が出てきたのも、
そういうことなのだろうか。
それにしたって、丘の上から見える景色は、
同じように感じた。
元いた世界は、この世界より未来に
あたるのだろうか。
よくわからなかったが、丘の上だけは、
何も変わらなかったように感じた。
生きる世界観というのは、あまりにも
異なっていたのだが。
私は、久しぶりのひとりの時間を
じっくりと楽しむことができた。