皆さま
おはようございます。
「私たちの記憶を取り戻す物語」です。
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「私たちの記憶を取り戻す物語」
~再び訪れたあの人~
私と妻は、夕食を終え、茶をすすり、
ゆったりと今日を振り返っていた。
本当に、一日というのは、こんな風に
終えていくのか、少しは疑っている。
でも、きっとこのまま終わっていくに
違いない。
この世界は、そういう世界なのだ。
ようやく周囲が真っ暗になっていく。
そのとき、家の戸がトントンと音を
立てた。
「あら、誰かしら」
と、妻は言いながら、誰かはわかって
いる様子だった。
静かに、戸を開ける。
やはり、知り合いらしき女性の声が
していた。
「こんばんは」
「今日も、お願いできるかしら」
「この子」
そうして、顔をひょっこりと出したのは、
少し前に、一緒の部屋で寝ていた少年だった。
なぜだか、少年は、私の方を見つめて
いたのだ。
会ったのはたったの一度だけではなかった
だろうか?
それでも少年は、親しみを込めて私を
見つめていたように感じる。
「もちろんいいわよ」
妻は、そう言って、少年を迎え入れた。
少年は、私の元へやって来た。
「おじちゃん、今日もよろしくね」
少年は、律儀にそう言った。
私は、不思議に自分がおじちゃんと言われる
年齢なのかもわからなかった。
でも、なんだか、その少年なのだが、律儀で、
紳士のような振る舞いにも、少年のことが見えた。
そうして、今夜も私は妻とその少年と
一夜を過ごすことになったのだ。
そう、この世界では、そんなことは
ごくごく自然に行われていることなのだ。