皆さま
おはようございます。
「夢のような世界を生きる物語」です。
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「夢のような世界を生きる物語」
～不安になろうとしてもなれなかった～
私は、岩穴に戻ってきていた。
お父さん、お母さんと夕食を共に
している。
お父さんとお母さん
（フランクさんと白い魔女）は、
この生活は不自由に感じてはいなさそう
だった。
岩穴の中にも、物はほとんどないし、
外に出ても、自然しかない。
食べ物もどこかで採ってきた野菜や
果物ばかりだった。
娯楽もないし、もっと言えば刺激も
ない。
お金だってない。
争いもない。
でも、溢れる幸せがそこにある。
携帯電話も固定電話さえないけれど、
頭の中で、話さなくとも会話ができる。
私が以前住んでいた丘の上での生活も
どこか浮世離れしているかと思っていたが、
それどころの騒ぎじゃない。
でも、そこに不足感はないし、居心地の
よさがある。
いや、待てよ、私は騙されているのだろうか？
私は、お父さんとお母さんの顔を
まじまじと見てみた。
今夜寝ている間に、ふたりに食われて
しまったりするのだろうか。
でも、ふたりとも深い笑顔をくっきりと
表現していた。
そして、陽が暮れてくると、食事も終え、
ゆったりと眠りに就く流れがやってくる。
私も、自然と眠たくなっていた。
いろいろ子どもながらに考えてみたけど、
よくわからなかった。
明日起きたら、また元の世界に戻って
いるのだろうか。
それともふたりにいや、別の何かに
食われてしまったりするのだろうか。
でも、不安になろうとしてもなれなかった。
そして、私は、今夜もお父さんとお母さんに
挟まれて、愛の中、調和の中、眠りに落ちていった。
【終わり】
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