皆さま
おはようございます。
「夢のような世界を生きる物語」です。
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「夢のような世界を生きる物語」
～あの二人が我が家にやってくる～
私は、電話を切った後、江戸タワーの
物語を見直してみようかと思った。
でも、きっと、そんな必要はないと
直感的に感じていた。
あの二人が読むという前提で読み直すと、
何かしら消したり加筆したくなりそう
だったからだ。
やっぱり、ありのままの物語を
読んでもらうのがいい。
そして、作家としては、それが最善だと
思った。
だから、江戸タワーの物語は、そのままに
しておくことにした。
そして、フランクさんと白い魔女が、
私の家にやって来る日がやってきた。
私は、朝起きたときから、なんだか
ドキドキとしていた。
小さい頃、家に遊びに来るやさしい
祖父母が、やってくる日みたいに。
自然とそのときの思い出と重なるように、
私の胸はドキドキをするのだ。
そして、リビングを掃除し、もしかしたら、
書斎も見たいと言われるかもしれないと、
書斎も入念に掃除をした。
お客さん用のカップを洗い直し、
コーヒーはすぐに淹れられるように
準備をしていく。
髭を綺麗に剃って、襟付きのシャツでも
着る。
私も英国紳士になろうとでも
しているのだろうか。
そんな冗談を思い浮かべながら、私は、
いつやって来てもいいように、準備を
重ねていく。
しかし、なぜ、こんなにもドキドキと
しているのだろう。
よくわからなかったが、私は、この
江戸タワーの物語を読んでもらうのを
とても楽しみにしているのかもしれないと
思った。
すると、丘を駆け上がってくる車の
エンジン音がする。
次第に、その音が近づいてきて、家の
前でエンジン音が途絶えた。
二種類の足音が、私の耳に心地よく
入ってくる。
リズミカルな音楽を聴いているような
気分だ。
そして、玄関のベルが鳴らされる。
いよいよか、私は、大きく息を吸い込んだ。
【終わり】
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