皆さま
おはようございます。
「夢のような世界を生きる物語」です。
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「夢のような世界を生きる物語」
~白い魔女からの電話~
私は丘の上の家にある書斎があるものの、
執筆活動を行うことがなくなっていた。
きっと、いつかは書き始めるときが
くるのだろう、なんて楽観的な想いには
なかなかなれずにいたのだ。
もしかしたら、もう二度と執筆することが
できなくなるのではないかと、思うことだって
私にもあるのだ。
でも、どこかで、そのことは、不要な
ものだとわかっていたのかもしれない。
それでも、いつかは執筆することに
なるだろうと思い直して、毎日を
生き直していくのだ。
そして、今日も朝起きて、そのまま
書斎にでも行ければいいのだが、
執筆することができない以上、
そうならない。
リビングに行って、目覚めのコーヒーを
淹れて、ウッドデッキにいく。
鳥のさえずりや、木々が風に揺れる音、
飛び切り湿った土の匂いがする空気を
感じ、コーヒーを啜るのだ。
これだけでも、多くの五感を使っている。
そんな感覚があるのだ。
そう、私は、執筆以外で生きていると
感じられる貴重な瞬間でもあると感じて
いる。
そして、この日は、とても珍しいことが
起きたのだ。
それは、私にとっては、とても大きな
出来事となりそうなこと。
もしかしたら、それをきっかけにこの
執筆できない状態が打破される気がしていた。
私が、ウッドデッキでコーヒーを
啜っていると。
リビングの方から微かに電子音が鳴っていた。
それは、私の家にある固定電話の
音だった。
私は、電話があまり好きではないが、
このときばかりは、なぜだか出てみようと
思った。
そこに必然性を感じたのだ。
私は、コーヒーをこぼさないよう
できるだけ静かにカップをテーブルに置き、
リビングへと向かった。
なんとなく、この電話は途中で切れないと
思った。
それは、ただの勘であるのだが、そして、
その電話は切れることなく、私の到着を
待っていてくれた。
電話に出ると、そこには、少し懐かしい
声が聞こえるのだ。
そう、その声は白い魔女。
この電話は白い魔女からだった。
白い魔女の声を聞きながら、私は
喫茶店の経営はうまくいっているのだろうか?
なんて、白い魔女のことを気にしてみせた。
でも、本題はそんなことではなかったのだ。
白い魔女は、私に言った。
「あなたのおかげで、私は新しい世界に行くことができた」
「そのことを伝えていなかったから」
「今日は、急に電話をしたの」
「ありがとう」
白い魔女のトーンからは、いつもの少し
気の強い印象が消えていた。
こうした表現は、私らしくないかもしれないが、
とても清らかな女性らしい、何かを癒やすような
優しい声のトーンだった。
私は、白い魔女と電話を続けながら、脳内で
その言葉を繰り返していた。
「あなたのおかげで、私は新しい世界に行くことができた」
何度も繰り返していたからか、白い魔女から、
「聞いているの?」と言われてしまった。
「もちろん聞いていました」と私は咄嗟に
答えた。
でも、本当は、電話を切って、そのことについて
考えたくなっていたのだ。
白い魔女は、そのことを察したのか、
「ありがとう」
「また、お店にコーヒー飲みに来てね」と
言って、電話が切れた。
私は、繰り返していた。
「あなたのおかげで、私は新しい世界に行くことができた」