皆さま
おはようございます。
「夢のような世界を生きる物語」です。
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「夢のような世界を生きる物語」
~白い魔女が物語を吸収していく~
白い魔女は、私の目の前に座り、
私が書いた、紛れもなく書いた
物語を読んでいった。
白い魔女は、静かに、とても静かに
読んでいく。
この間に、お客さんが来たらどうしようかと
思ったが、その心配はなかった。
白い魔女は、原稿用紙をめくり、
読み進めていく。
そろそろかもしれない。
私は、原稿用紙の進み具合と
白い魔女の表情が変わったことで、
そう感じた。
私が、白い魔女の本質のようなものを
書いてしまった部分だ。
そこから、白い魔女は、予想外の
反応をみせた。
私は、憤りを隠せない白い魔女の姿を
失礼ながら予想していたのだ。
でも、白い魔女のそれは、違った。
私が書いた白い魔女が体験したであろう、
絶対的な恐怖感。
それに触れた折、白い魔女は、泣いていた。
白い魔女が泣いていたのではなく、
白い魔女の魂が泣いていたのだ。
とめどなく溢れてくる涙。
私は、それを何か別の言葉で表現
しようとしたが、そんな必要が無いことに
気が付く。
ただただ、白い魔女は泣いていた。
この涙は、収まるまで、放っておくしか
ない、私は直感的にそう感じた。
白い魔女が泣き終えるまで、それなりの
時間を要した。
私は、そのまま白い魔女の涙の流れを
見ることしかできなかった。
白い魔女の涙は、テーブルの上で
その行き場を探しているようだった。
そうして、白い魔女は、息を整え、
天を仰ぎ、私に言った。
「本当にありがとう」
「あなたに物語を書いてもらってよかった」
「この物語は、私が体験してきた」
「本質が書かれていた」
「二度と目を向けたくないと思ったこともある」
「それでも、直視するしかなかったこと」
「それが、きちんと描かれていた」
「ありがとう」
私は、白い魔女の予想外な反応に、
何も言えずにいた。
しばらくの沈黙があった。
しばらくして、私はそのことに
反応することができた。
「本当にこの物語でいいでしょうか?」
「もちろんよ」
「私が本当に書いて欲しいことが」
「ここには書かれていた」
「だから、あなたに依頼して正解だった」
「ありがとう」
白い魔女は、改めて、深々と
頭を下げて、私に礼を言った。
「こちらこそご依頼いただき」
「ありがとうございました」
白い魔女は、原稿用紙を大切そうに
抱えて、席を立つのだ。