皆さま
おはようございます。
「新しい地球を生きる物語」です。
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「新しい地球を生きる物語」
~せせらぎに佇む~
丘の上の家で執筆に没頭するように
なった。
静かな朝を迎えて、時計を見ると
ずいぶんと早い時間だったのだ。
たまには、丘の周辺を散策してみよう、
そう思い、支度をした。
あの畑を覗くことも、ふと頭をよぎったが、
今日は、やめることにする。
そして、ずっと聞こえてはいた
せせらぎの方に行くことにした。
せせらぎの音は、雨の翌日は、その
音を変える。
丘の上の家で、ウッドデッキに出て、
目を閉じ、せせらぎに耳を傾けることが、
日課にもなっていた。
しばらく丘を下っていくと、せせらぎの
音が大きくなっていく。
そして、ある程度の草木をかき分けて
進むと、せせらぎにたどり着いた。
見るからに透明の水が、激しいところでは、
水しぶきを上げながら、流れている。
思っていた以上に、水量もある。
そのとき、水面から何かが
飛び出したように音がした。
そちらの方向を見るが、その生き物らしき
正体はわからなかった。
でも、このせせらぎには、何かが
住んでいるようだ。
水中が気になり、腰を上げて、せせらぎを
覗き込んでみる。
深さは1メートル以上ありそうだが、
底の石などが見えるほど、透き通っていた。
時折、葉や木の枝が、通り過ぎてゆく。
魚などの生き物は、見えなかった。
せせらぎの流れをジーッと見てみる。
まったく飽きなかった。
なぜだか、ずっと見ていられる気が
する。
それほどに心地よいのだ。
流れる音も、流れゆく景色も。
流れるように書いている自分の絶好調な
姿と重ね合わせていたのかもしれない。
その時だった。
水面にすっと映る人物の顔らしきものが
現れたのだ。
ビクッとした。
そう、あの英国紳士の顔だった。
どうやら向こう岸と言っても、大股で
渡れそうな長さだが、向こう岸から
水面を覗き込んでいたのだ。
水面越しに、英国紳士と目が合った。
ニヤリと英国紳士の口角が上がったことが、
わかった。
「こんにちは」
そう自然と挨拶されて、心を落ち着かせながら、
「こんにちは」と返す。
英国紳士は、タンクのようなものを
持ってきていた。
「タンクに水を入れて、運んでいるのです」
「畑にも使うし、生活用の水としても使っています」
「この川の水は、とても栄養があるのか」
「作物の成長にいいんですよ」
聞いてもいなかったが、英国紳士は、
こちらの疑問になりそうなことを先手を
打って答えてきたようだった。
「こんなところまで大変ですね」
「いえいえ、そんなこともないですよ」
「運動がてら、毎日の日課です」
英国紳士は、爽やかにそう言った。
「では、私は作業がありますので」
水を詰めたタンクをリヤカーのようなものに
乗せて、英国紳士は、去って行った。
意外と体力があるのだな、そんな
どうでもいいことを思い浮かべていた。
この川の水を飲んでみようと思ったが、
水面に映る英国紳士のニヤリと笑った
表情を思い出し、思いとどまることにした。