皆さま
おはようございます。
「新しい地球を生きる物語」
です。
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「新しい地球を生きる物語」
~見えない訪問者~
丘の上の家で、執筆をしながら
住み始めた。
あたりは木が生い茂っているが、
ほとんど人気がない。
それでも、カラフルな屋根の家が
あるだけ、寂しさを和ませる。
葉がこすれる音、動物たちの声、
せせらぎ、わかるのはこれだけだ。
どうにも特定できない音もする。
いつもそれが、気になっているが、
朝から晩まで執筆しているからか、
疲れ果てて、ベッドですぐに眠って
しまっているのだ。
静かな夜更けだった。
眠りが浅くなっていたのか、
鼻で大きく息を吸い込む。
ツンと鼻の奥を冷えた空気が、
刺激した。
「雪だ」
浅い眠りに落ちながらも、そんなことを
感じている。
朝、起きてすぐにカーテンを開けた。
やはり、雪が降っていたのだ。
窓から見える、木々たちが雪を
かぶっている。
寝起きだが、どうかしていたのか、
どうしても今すぐに外に出たくなった。
窓の外は、ちょっとしたウッドデッキに
なっていて、木々の一部になれそうだ。
裸足で、うっすらと積もった雪の上を
歩いてみる。
当たり前だが、とびきりに冷たい。
そのとき、ふと気になる箇所が見つかる。
ウッドデッキに、そこに積もるはずの
雪がないところがあるのだ。
大きさはコーヒーカップくらいだろうか、
コーヒーカップをふたつ、少し話して
並べたような、まるふたつ。
雪を遮る何かがあるのかと、上を
見てみるが、それらしきものは何もなく、
顔に、今も降り続く雪がゆっくりと
落ちてくるだけだった。
そして、その雪のないふたつのまる、
そこにも確かに雪が降ってきていた。
何かがあったのだろうか。
はたまた、誰かがいたのだろうか。
普通の生活をしていたら、怖くなる
だろうが、丘の上は、今までの世界とは、
まったくもって違う場所だ。
よく感じてみたら、身体が冷え切って
いた。
不思議な形を残したウッドデッキを後にして、
部屋の中に舞い戻る。
濡れた足の裏を拭き取り、部屋の中を
なぜだかそっと歩いてみた。
「書斎だ」
朝から晩まで執筆をしている書斎に
行ってみると、机に出しっぱなしに
していたのか、原稿用紙が置いてあった。
そう、原稿用紙には、文字は書いてなく、
ウッドデッキでみた、コーヒーカップくらいの
ふたつの濡れた丸い跡が残っていたのだ。
「誰かいるな」
と、同時に、今日、書きたい題材が
ふと浮かんでくるのだ。