皆さま
人間関係で辛い思いをしている人、
たくさんいらっしゃると思います。
とても危険な環境にある方は、逃げることを
優先することも大切だと思うのです。
でも、そうではないなと思う方、
こんな風に捉えてみると、見える世界は
グインと広がりを見せます。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
自然の美と神々しい雰囲気は、
なぜだか調和を生み出しますね。
【自己紹介】
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「人間関係で辛い思いをしているあなたに贈る物語」
~餃子が気付いたこと~
中華料理屋さんに餃子がありました。
餃子には嫌いな中華料理がいます。
それは、チャーハンです。
どうしても餃子はチャーハンのことを
好きになれませんでした。
チャーハンは、餃子に対してあれやこれやと
指摘をしてくるのです。
「焼き餃子なのか、水餃子なのか」
「僕チャーハンみたいにハッキリしろよ」
「君には意見はないのか?」
「チャーハンのお供でしかないな」
餃子にとって、この中華料理屋さんで
チャーハンとの関係は、とてもしんどいものが
あったのです。
なんせ、チャーハン餃子セットが、最も
売れるメニューだからでした。
餃子はチャーハンといつも一緒に
いることを強いられます。
そのことが、餃子にとってはとても
ストレスでした。
いっそのこと、店主に頼んで、このお店から
餃子というメニューを消してくれとお願い
しようかと真剣に考えたこともあったのです。
それでも、餃子は、日々我慢をしながらも
チャーハンとセットになりながら、過ごしていました。
本当は逃げ出したっていいのです。
だって、嫌な気持ちになるのですから。
でも、餃子は、寝静まった中華料理屋さんで
じっくりと考えてみました。
「なぜ、こんなに嫌な関係が起きたのか?」
「自分になにか落ち度があるのか?」
「何か足りないことがあるのか?」
「自分の対応に問題があるのか?」
考えてみたところで、餃子にその答えは
わかりませんでした。
でも、考えて考えて、自問自答を繰り返すと
ひとつの答えのようなものに辿り着きます。
「この嫌な中華料理関係から学び取ることがある」
そうだったのです。
最も嫌な関係性からは、実は多くのことを
学ぶことができるのです。
それは、自分が自分に禁止していることを
見せつけてくれるからでした。
餃子は、そうしてチャーハンのように
相手のことなど考えずに意見をズバズバと
言うデリカシーのないところが嫌で仕方ありません。
餃子は、自分がズバズバと意見を言うことを
固く自分自身に禁止しているのです。
だから、逆にチャーハンにやられることで、
そのことから自由になりなさいとお知らせを
もらっていました。
ただ、それだけなのです。
そうして、そうした自分で自分を縛るルール
思い込みから楽になって、楽しく幸せに
生きていけばいいのです。
シンプルに、ただこれだけです。
餃子はそのことに気がつくと、翌朝から
チャーハンに感じるものが違うことが
わかりました。
「チャーハンを使って、僕はもっとよりよく生きられるようになる」
「チャーハンとの出会いは、自分の成長のためだったんだ」
そうすると、あんなに嫌だったチャーハンとの
関係が少しだけ楽に感じるようになります。
もちろん、チャーハンのことがいきなり
好きになったりはしません。
あくまでもチャーハン餃子セットとしての
仕事上の付き合いに留まります。
でも、明らかに楽になったのです。
餃子は、その調子で日々を過ごします。
すると、ある日、店主から、驚きのことを
聞かされます。
「うちは、チャーハン餃子セットがメインだったけど」
「ここのところ餃子の評判が上がってるんだよね」
「ここは、餃子単品で、もっと勝負していこうかと」
「思っているんだよ」
「頼んだよ」
「餃子くん」
なんと、あれだけセットにこだわっていた
店主も、餃子を単品で売っていく計画を
立て始めたのです。
餃子は、内心とても喜んでいました。
やっぱり、餃子も生きているから、
あんまり気の合わない中華料理と一緒に
いるのは、気が進みません。
「あー、やっと自分の居場所ができてきた」
「チャーハンと距離が取れるのかあ」
そう、それこそが、餃子に必要だった
中華料理関係の大きな学びだったのです。
ひとつの大きな学びを終えた餃子は、
また、より一層おいしくなって、お客さんの
前に並ぶことになりました。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。