皆さま

 

私たちは、小さい頃にお父さんや

お母さんなど育ててくれた人たちと

約束をしていることがあります。

 

もちろん、その約束を果たすことも

自分がしたければすればいいです。

 

でも、その約束のせいで、自分が縛られて

苦しんでいたら、お父さんお母さんだって

本望ではないと思います。

 

そんなときは、こっそりとでも両親との

約束は破ってしまいましょう。

 

新たな世界が開けます。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

-----------------------------------------------------------------------------

 

「両親との約束を思い切って破ってみる物語」

~エビの親子の約束~

 

海の中にエビの親子がいました。

 

エビの子どもは、まだまだ小さくて

親の後をついて行くのが精一杯です。

 

海の大きな流れに流されながら、

小さな足を使って、お散歩しています。

 

そうして、エビの親がいつも口癖のように

言っていたことがあります。

 

「背筋を伸ばして堂々としていなさい」

 

エビの親は、事あるごとにそのことを

エビの子どもに言っていました。

 

エビの子どもは、知らず知らずのうちに

親とそんな約束をしていたのです。

 

エビの子どもが大きくなって、それでも

心のどこかにその約束のことが残っています。

 

「背筋を伸ばさなくては」

「堂々としていなければ」

 

エビは、そうして元々曲がった背筋に

ムチを打って頑張っていたのです。

 

でも、それはいつしか無意識になって

しまい、頑張り続けていました。

 

だから、エビは、どんな海水魚に

出会っても背筋を伸ばして堂々と

しています。

 

頭の中では、それこそが正しい

一番の道だと思っているのです。

 

でも、エビの胸のあたりにある

光り輝くそれは、正しいとは感じていませんでした。

 

エビは無理をしていたのです。

 

古くから生きているチョウチンアンコウに

会った際、勢いよく背筋を伸ばして挨拶を

しようとしたエビは、とうとう背中を痛めて

しまいました。

 

エビはうずくまります。

 

チョウチンアンコウは、自身の明かりで

うずくまったエビを照らしました。

 

「エビくんよ、そんなに頑張ることはない」

「背筋を伸ばすことがそんなに大切かい?」

「堂々としていることがそんなに大事かい?」

 

「なんでそんなに大切なんじゃい?」

 

「それは、親と約束をしたからじゃないかい?」

 

「そこに根拠などないんじゃないかい?」

 

「エビくんよ、君の背中は元々曲がっているって」

「知っているかい?」

 

「それが、エビくんの個性なんじゃよ」

 

エビはうずくまりながら、チョウチンアンコウの

言葉を聞き漏らさずに聞き入っていました。

 

そうして、チョウチンアンコウは、去っていきます。

 

エビは、自身を振り返りました。

 

「僕は無理をしていたんだ」

「親との約束・・・」

「それは、絶対に守るべきものだと」

「心のどこかで感じていたんだ・・・」

「でも、そうではなかったんだ」

「お父さん、お母さん」

「僕は、あなたたちとの約束を破ります」

「それは、あなたたちが嫌いだからではありません」

「より、僕が僕らしく生きるためです」

「だから、誤解はしないでください」

 

エビは、そう宣言すると、海の中を

自分らしく背中を曲げたまま泳いでいくのです。

 

その姿は、とても自然なものでした。

 

【終わり】

------------------------------------------------------------------- 

執筆依頼なども承っております。

お問い合わせ・ご質問はこちらからどうぞ

------------------------------------------------------------------- 

この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。