皆さま

 

気が付くと日常って当たり前のように

過ぎ去っていきます。

 

でも、その日常こそが当たり前でもなんでも

ないのだと思うのです。

 

そう、思って生きるようになったら、不思議と

毎日を大切にして充実していって、幸せに

なったように思います。

 

詳しくはリスが教えてくれました。

 

本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「その日常、当たり前ではないと気付く物語」

~リスの日常への感謝~

 

森の中にリスが住んでいました。

 

リスは、まだ小さな子どもです。

 

リスにはお父さんのリスはいなくて、

お母さんのリスだけがいます。

 

そのことをリスは、なんだか悲しく

感じていました。

 

「なんで、私の家だけ・・・」

「お父さんがいないのかしら」

 

そんな風にリスは、思っているのです。

 

だから、子どもながらにリスは、

幸せを感じずに生きています。

 

どうしても、美味しいはずのクルミを

食べても、なかなか食べることのできない

山の木の実を食べていても、なんだか

心から歓ぶことができなかったのです。

 

どちらかというと、不満を持ちながら

生きていたようにも感じます。

 

リスは、それがあったからかなんでか、

小動物が通う学校にも通わなくなりました。

 

小動物が通う学校に通わなくなって、

リスは、しばらくが経ちます。

 

そんなある日、リスのお母さんの心配をよそに

リスの子どもは、お散歩へ出かけていきました。

 

すると、目の前から大きな鳥が

やってきたのです。

 

大きな羽を広げて、リスの目の前に

近づいてきます。

 

それは、フクロウでした。

 

フクロウは、そのままリスを鋭いくちばしで

くわえて空へと連れて行ったのです。

 

「うわー!うわー!」

 

リスは小さな身体を揺らして

驚いていました。

 

そうして、リスはフクロウの顔の方を

見てみます。

 

フクロウは、ニヤッと笑って言いました。

 

「リスさん、安心しなさい」

「これから、いいもの見せてあげるから」

 

そう言うと、フクロウは、くちばしを

ひょいと上げて、リスを自分の

背中に乗せるのです。

 

リスは、フクロウの背中に乗りました。

小さな手でギュッとフクロウの背中の

羽を握ります。

 

少し強く握り過ぎたのか、フクロウが

痛そうな顔をしました。

 

それで、リスは、羽を握る力を少し

緩めるのです。

 

そんなことをしているうちに、なんだか

見覚えのあるところにたどり着きます。

 

それは、小動物が通う学校の上空

でした。

 

空の上から見る小学校は、とても

小さく見えます。

 

広場では多くの小動物の子どもたちが

遊んでいます。

 

フクロウが、リスに声をかけます。

 

「どうだい?」

 

「学校だ」

「私は今、学校を休んでいるの」

 

「いろいろな小動物がいるだろう?」

「ほらよくみてごらん」

 

フクロウがそう言うと、リスは、目を凝らして

小動物の学校の広場を見ています。

 

そうすると、いろいろな小動物がいることが

見えてきました。

 

同じリスでも、前歯を失ったリスもいます。

 

右手が曲がってしまったモグラもいます。

 

片方の羽が動かないジュウシマツもいます。

 

うまく歩くことができないネズミもいます。

 

うまく歩くことができないネズミは、

他の児童たちの手を借りて遊んでいます。

 

「どうだい?」

 

リスは、なんだかフクロウが言いたいことが

わかったような気がしました。

 

「リスさん、君もお父さんがいなくて」

「辛い思いもしていると思う」

「でもね、小動物にはいろいろな」

「ことを抱えているものもいるんだよ」

「そう、何が言いたいかというと」

「普通に歩けたり、遊べたり」

「ご飯を食べたり、眠ったり」

「当たり前だと思っていることは」

「実は、当たり前じゃないんだよ」

「そのことを知るだけでね」

「幸せに生きることだってできるからね」

 

リスは、そう言われて、

「あー、やっぱりそうなんだ」

と、理解が深まったような気もしたのです。

 

「普通に生きられれている幸せ」

「何があっても、なくても、実はそれは」

「当たり前じゃない」

「そうだったんだね」

 

リスは、そうして、自分がどれだけ

幸せだったのかに気が付きました。

 

フクロウもなんだか、うれしそうです。

 

グルグルっと小動物が通う学校の上を

旋回して、元居た場所に颯爽と戻っていきます。

 

そうして、リスを優しく木の上に戻したのです。

 

「フクロウさん、今日は、ありがとう」

 

そう言うと、フクロウは、大きな羽で

答えるようにして、空へと戻っていきました。

 

リスは、それから、少しずつ変わって

いったのです。

 

何かとうるさいお母さんにも

「ありがとう」と言えるようにもなりました。

 

そうして、リスは、小さなその胸に

少しずつ小さな幸せを集めていったのです。

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。