皆さま

 

感情を味わうのはもう充分です。

そんな風に感じている人もいるかと思います。

 

なにせ、私もずいぶんと感情を味わって、

もういいですよと思っていたものです。

今でも、そんな気持ちもありますが・・・。

 

それはそうとして、私たちは、そんな風に

感情を味わいに来ているのかなとも

感じるわけです。

 

それによって、自分だけのお宝のような

体験ができるのですよね。

 

だからこそ、感情を味わうことを恐れなくなると

この人生をより濃いものに、そして楽しめるように

感じています。

 

そんなことを小動物の代表格リスが

教えてくれました。

 

鳥かごの似合わないフクロウは

登場するのでしょうか。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「私たちは感情を味わいに来ていると知る物語」

~感情を押し殺していたリス~

 

森の中にリスが住んでいました。

 

リスは、大人になってずいぶんと

時間が経っています。

 

その中で、いろいろと経験をしたからなのか、

リスはいつしか感情を押し殺すように

なったのです。

 

美味しかったはずの木の実を食べても

あまり何も感じなくなっています。

 

他のリスと会話をしても、天候が悪くなっても

リスは、できるだけ感情を押し殺すのです。

 

それは、たしかにリスにとって、

過去に辛い感情を味わったことが

原因だったかもしれません。

 

そのことは、リス以外の誰かが

簡単に理解できるものでもないのです。

 

そんなある日のこと、リスが、ボーっと

お散歩に出かけて、森の広場を見つめて

いるときのことでした。

 

どこかのリスの親子が遊んでいたのです。

 

リスの子どもは、ただただそこで

楽しんでいました。

 

リスの親が「危ないわよ」と止めようが、

やっぱり、やりたいと思ったことを

やり続けるのです。

 

森の広場に設置されている木の上で

走り回ったり、木の実を転がしたり、

前歯で木をかじったりしていました。

 

そこには、リスの子どもが放つ

純粋なものが漂っているようです。

 

そうして、リスの子どもはその純粋な

想いのまま、無感情になったリスの元へも

近づいてきます。

 

大人のリスだったら、少し近寄りがたい

雰囲気を察して、近づいてきません。

 

でも、リスの子どもは、ただただ無邪気に

無感情を装うリスの元を訪れるのです。

 

感情を押し殺しているリスでしたが、

その純粋さを放つリスの子どもの前では、

感情の扉が開き始めました。

 

「こんにちは」

 

感情を押し殺したリスが、ようやくぶりに

他のリスに話しかけたのです。

 

気が付けば、感情を押し殺したリスが

少しだけ笑みを浮かべていました。

 

そうして、リスの親は、自分の子が

近づいてしまって騒いだことを

「すみません」と言って、謝るのです。

 

感情を押し殺したリスは、「いえいえ」と

答えます。

 

そこには、「大切なことを思い出させてくれて」

「ありがとう」という気持ちも含まれていたのです。

 

それから、感情を押し殺したリスは、

どうしてこの森に生きているのかを

ゆっくりと思い出していきました。

 

「そうか、感情を味わいに生まれてきたのだね」

 

リスは、そうして感情を味わうことから

逃げなくなり、抵抗しなくなっていきます。

 

たしかに、もう味わいたくないという

感情もあるにはあります。

 

それをわざわざ味わうこともないなとも

リスは気が付いていくのです。

 

そのことだって、味わったからこそ

気が付くことができたのだと、リスは

今ではそう感じていました。

 

それだけでも、リスは、ずいぶんと

活き活きと生きられるようになったのです。

 

あのとき、大切なことを教えてくれた

リスの子どもに感謝をしています。

 

「ありがとう」

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。