皆さま
私のブログを読んでくださる皆さまの中にも
今までひとりでがんばってきたなあって、いう方
多いかと思います。
それでですね、ひとりでがんばるのには
限界があります。
でも、他人様のお力を借りるとその何倍も
力を発揮できるようになるのですね。
そんなことを、お散歩をしていても落ちている梅、
今回はロックでも美味しい梅酒になりながら
教えてくれました。
今回の梅酒は焼酎ですが、日本酒ベースも
あったりしますよね。バーとかにもあるのでしょうか。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「他人様のお力も借りると飛躍できる物語」
~よく漬かってゆく梅酒~
あるところの木になっている
梅がありました。
梅は、青々としていて大きく
立派に育っています。
梅には、強い信念があります。
「私は、ここまで自分の力でやってきた」
「だから、これからも自分だけでやっていく」
「個別に楽しんでもらえる」
「梅干しになっていく」
そうして梅は毎日を過ごすのです。
鳥や虫が梅のもとを訪れても
とてつもない威圧感で追い返す
勢いもありました。
ところが、そんなある日、梅にとっても
なんだかとても気持ちのよい天気の
日があったのです。
いつも気を張っていた梅でしたが、
この日ばかりは少し力が抜けていました。
その瞬間でした、梅の力が抜けたところに
フワッと風が吹いたのです。
梅は、木から切り離されて、地面へと
落ちていってしまいました。
「コロコロ」
梅は少しの衝撃を受けましたが、
地面が土だったため、ちょっとした
傷で済んだのです。
コロコロと梅が転がっていると
何かにぶつかって止まりました。
そこには、おばあさんがいたのです。
おばあさんは腰を曲げて、梅を
拾い上げました。
「おうおう、梅酒にするのには立派なくらいの梅じゃ」
そうして、梅は、おばあさんに拾われて
連れて帰られてしまったのです。
梅は、高級な梅干しとして食べられたいと
願っていました。
でも、どうやら、梅は、おばあさんによって
梅酒として漬けられてしまうことになりそうです。
梅は、おばあさんの手によって
梅酒の瓶の中へと投入されていきました。
梅は、最後まで抵抗を試みましたが、
もうどうにもならなかったのです。
「あー、梅干しになる夢は叶わずか」
「この中でも、誰の世話にもなるもんか」
梅酒の瓶の中は、思った以上に
梅がたくさんでひしめきあっています。
この梅だけが、他の梅とも焼酎とも
氷砂糖とも相容れようとしませんでした。
それに困ったのが、他の梅や焼酎、氷砂糖
です。
「これでは、美味しい梅酒ができない」
「あのおばあちゃん、ガッカリするぞ」
そうして、他の梅たちが、この梅に話しかけて
説得を試みるのです。
でも、梅は、聞く耳を持ちませんでした。
「俺は俺でやるから」
「君たちとは違うんだ」
そう言って、相容れることはなかったのです。
そんなある日、梅は、焼酎に話しかけられます。
いつものように、梅は、厳しくあしらいましたが、
焼酎は、粘り強く梅に語り掛けます。
「梅さん、あなたがここに来たのは」
「本意ではないかもしれません」
「でも、来てしまったからには」
「是非、力を貸して欲しいんです」
「焼酎である僕は、どうしても」
「美味しい梅酒になって」
「あのおばあちゃんを喜ばせたいんです」
「きっと、梅さんはその他大勢には」
「なりたくないんだと思います」
「その気持ちもわからなくもありません」
「僕も焼酎として人を喜ばせたいと思っていたから」
「でもですね、梅一個だけで喜ばせられる」
「影響力と、僕たち全員が協力して」
「喜ばせられる数って、全然違うんですよ」
「だからね、梅さん」
「みんなで協力して美味しい梅酒に」
「なってみませんか」
梅は不機嫌そうに聞いていました。
でも、焼酎の言葉がどこか響こうと
していることも事実だったのです。
「俺は、自分だけでやろうとし過ぎてたのかもな」
梅は、自分以外の梅たちが美味しいエキスを
出そうと楽しんでいる姿をいつも横目で見ていました。
「俺もいっちょ、力を貸してみるか」
「他の梅や焼酎、氷砂糖と協力してみるか」
梅は、焼酎から言われてからじっくりと
考えて、協力する道を選ぶことにしたのです。
すると、梅酒の瓶の中では、さらに
旨味が出て、熟成が進んでいきました。
それこそ一体感が出てきたのです。
いつも変化を楽しみにしていた
おばあさんは、梅酒の瓶の中を見て、
驚いているようでした。
そうして、梅が他の梅たちと
強力をして数か月、梅酒が出来上がったのです。
梅は、生まれて初めて協力する
歓びを感じることができました。
達成感を感じることができたのです。
梅は、じっと集中して待っています。
そう、おばあさんが、梅酒の味見に
やってきたのです。
「僕たちのエキスが出た梅酒をお楽しみください」
おばあさんは、梅酒をペロッと
味見します。
「あらあ、今年の梅酒は美味しいわ」
「なんだか深みがあるわね~」
梅もその他の梅も、焼酎、氷砂糖が
混ざりあって、その言葉を聞いていました。
そこらじゅうで歓声が上がっているかの
ようです。
「やった」
梅は、そんなおばあさんの一言を
聞くことができて、とてもうれしい気持ちに
なっていました。
「あのとき、みんなで協力するって決めてよかった」
「焼酎さん、大切なお話しをしてくれて」
「ありがとう」
梅酒は、その日からもさらなる熟成を
遂げるのでした。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。