皆さま
過去の自分も正しく自分です。
辛いことがあったなあという人は、
せっかくの機会です。
過去の自分に寄り添う機会を
作ってみるといいですよ。
きっと、どちらも喜びます。
そんなことを小動物の代表格リスが
教えてくれました。
鳥かごの似合わないフクロウは
登場するのでしょうか。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「過去の自分の気持ちに寄り添う物語」
~リスの不安な気持ち~
森の中にリスが住んでいました。
リスは、よくよく不安な気持ちに
なることがあるのです。
何かを始める時、ちょっとした人間関係、
家族とのこと、仕事でのこと、
一見うまくいっているようなことでも、
いつそのことが終わるかと不安に
なります。
リスは、そのことが、もう当たり前に
なってしまっていましたが、正直言って、
しんどい状況でもありました。
リスには、家族もいますし、仕事も
しています。
それでも不安なのです。
「この生活がいつまで続けられるだろう」
「家族とずっと一緒にいられるのだろうか」
「仕事は続けていけるのだろうか」
「この家に住み続けることができるのだろうか」
リスは、その不安から仕事もするし、
家族と接します。
不安を埋めようと必死になって
行動するので、やっぱりそれは
苦しさを生み出すのです。
そう、実は、リスは、小さい頃、
家族が離別していった思い出が
強く残っていました。
リスのお父さんとお母さんが、
仲が悪くなり、お父さんが家から
出ていってしまったのです。
なので、リスの家は、お母さんが
働きました。
ずっと住んでいた家も、お母さんだけの
収入ではなんともならなくなり、
手放すことになったりしたのです。
リスは、小さいながら、その時の
記憶を鮮明に覚えていました。
それは、哀しみの象徴ともいえます。
お父さんがいなくなり、大切な家族が
壊れていったのです。
住み慣れていた家も失くなってしまい、
引っ越すことにもなりました。
そのことで、お母さんもバランスを
崩し、子どもであるリスに対して
八つ当たりのようなことをするように
なったのです。
全てが崩れた瞬間でもありました。
小さなリスにとっては、とても
衝撃的な思い出なのです。
「一瞬にして、全てが壊れてゆく」
そう、だから大人になって家族を持った
リスにも、そのことが癒えていないため、
不安感が湧きだしてくるのです。
過去の自分が、「気が付いてよー」と
主張しています。
でも、大人になったリスは、そのことに
気が付いているようで、気が付かないように
しているのです。
そうして、無意識にリスが不安な
表情を浮かべているときでした。
リスの子どもである子リスが、
リスに言ったことがあります。
「お父さん、ずっと家族でいようね」
子リスが、なぜそんなことを言ったかは
わかりませんが、リスにはその言葉が
とても響いたのです。
その夜、リスが眠りに就くと、昔の
家族が壊れていった、思い出が
蘇ってきました。
小さい頃のリスは、とても悲しそうに
していました。
そうして、家から出ていったお父さんのことを
とても怒っていたのです。
そうして、お母さんが豹変していき、
家を引っ越すことになって、小さい頃のリスは、
とても不安な気持ちでいました。
そんな小さい頃のリスが、大人になった
リスに訴えかけているかのようです。
リスは、寝床で、目をつぶりながら、
小さい頃のリスに、話しかけました。
「つらかったね」
「悲しかったね」
「本当は怒っていたんだよね」
「不安だったよね」
「怖かったよね」
そうして、リスは、小さい頃のリスに
寄り添うことができたのです。
最後には、小さい頃のリスを
抱きしめてあげました。
「ずっと、出てきていたのは、君だったんだね」
リスは、小さい頃のリスにそう言います。
それからも、リスが不安になることだって
ありましたが、
「あのときの、小さい頃のリスが出てきてるんだな」と
理解をすることもできましたし、無闇やたらに
出てこないようにしようともしませんでした。
そんな体験をした小さい頃のリスも
あくまでも自分自身です。
でも、不思議と、そうしているうちに
大きかった不安感はずいぶんと軽減
されていきました。
仕事も家族に対しても、不安から行動する
ということもずいぶんとなくなっていったのです。
すると、リスは、幸福度も上がったような
気もしています。
「なんだか、幸せだなあ」
今日もリスは、家族を抱きしめるのです。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。