皆さま
心や身体を酷使しているときって、
不思議と周囲の情報にも右往左往
してしまいがちです。
でも、ゆっくり眠ったりして
心も身体も休ませていくと、
自分自身ともつながりが深くなるように
思います。
そうすると、周囲の情報も取捨選択
できやすくなる、そう感じるわけですね。
そんなことを水槽や海の写真の主人公
エビが教えてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「眠って叡智を引き出す物語」
~エビがゆっくり眠る~
海の中にエビが住んでいました。
エビは、いつも忙しそうに仕事を
しています。
海の中でエビは、水草の手入れを
する仕事をしているのです。
決して、お散歩をしているわけでは
ありませんでした。
せっせせっせと小さな手を使って
水草についたゴミを取ったりしています。
「忙しいなあ」
「時間がないんだよ」
それがエビの口癖でもありました。
エビは、仕事を終えると、家に帰って
ご飯を食べて、すぐに眠ります。
短い睡眠時間を経て、再び水草のある
現場へと出向くのです。
エビが今日も水草の手入れをしていると、
そこへ珍しくウツボがやってきました。
ウツボは不敵な笑みを浮かべて、
エビに話しかけます。
「噂で聞いたんだけど、このあたりの水草」
「海流の影響で、そのうちに全部枯れちまうらしい」
そう言って、ウツボは去っていきました。
エビは、驚きます。
「え、それじゃあ、おいらの仕事はなくなっちまう」
エビは、枯れると言われた水草の前で、
水草よりもずっと心配をしてしまいます。
エビは、その情報がどこからやってきたのかも
知らずに、信じ込んでしまいました。
そう、エビは、ずっと仕事をし続けて
していないと、まるで価値がないのだと
信じ込んで、仕事に打ち込んできたのです。
だから、身体も心も本当は疲れていました。
仕事に行って、帰ってきて眠るだけ、
そんな生活をずっと続けているのです。
そうなるのも無理はありません。
エビが慌てていると、ゆったりと
のっそりと泳いでくるものがあります。
海水魚かなあと思っていると、タコでした。
タコは、エビに言います。
「エビさん、ウツボの言うことを信じてしまったようだけど」
「まあまあ、騙されたと思って、今夜から」
「いつもよりも早めに、ゆっくりと眠ってごらん」
「それだけでいいから」
エビは、タコさんは何を言っているのだろうと
少し不思議に感じました。
でも、せっかくだし、身体も疲れているから
少し早めに仕事を切り上げて、そうすることに
したのです。
しばらくの間、エビは、早めにゆっくりと
眠ることを心がけます。
すると、数日経って、タコの言っていた
意味が理解できるようになりました。
眠っている間に、誰が言っているのか
わからないのですが、エビに確かな
何かが湧きあがるようになるのです。
「相手の海水魚が言った、その真意を見抜くのよ」
「自分に必要ある情報を集めるようにするのよ」
エビの脳裏にウツボの不敵な笑みや、
その空気感が思い出されます。
「あ、あれは、いいエネルギーじゃなかったな」
「信じる必要のない情報だ」
不思議とエビは、自分であの情報は
純粋なものではないと見抜くことができました。
確かなことはわかりませんが、それこそが
自分で感じて自分で考えて自分で決めること
なのでしょう。
しっかりと睡眠を取って、休養することで、
自分の中に眠っていた叡智が開くのかも
しれません。
確かなことは、やっぱりわかりません。
エビは、眠っている間に、本当の自分や
魂とつながることで、それを引き出して
いたのかもしれません。
こうして、自分から湧きあがるものを
大切にしていれば、外のやたらめったらな
情報に右往左往することは、減っていくのでは
ないかと思います。
エビは、あのとき大切なことを
教えてくれたタコにお礼を言いました。
「タコさん、ありがとう」
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。