皆さま

 

人が成長を経ていくと、どこかで

「自分は幸せだったんだ」

「自分は満たされていたんだ」と

気が付くときがやってきます。

 

そうなったら、では、そこで

成長は止まるのでしょうか?

 

いやあ、人間はすごいですね。

そこからさらに成長を遂げます。

 

そんなことを小動物の代表格リスが

教えてくれました。

 

鳥かごの似合わないフクロウも

登場するようです。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「自分を充分に満たしたら、人のお役に立ってみる物語」

~リスが羽ばたくとき~

 

森の中にリスが住んでいました。

 

リスは、大工さんとして

働いています。

 

小動物や鳥たちの家を

作るのです。

 

木に前歯を使って穴を開けて

出入り口を作ったり、前歯を

器用に使って、木と木を繋げ

合わせていきました。

 

そうして、毎日、毎日働きます。

 

でも、リスは、最初はやりがいを

感じていたはずでしたが、いつからか

「とにかくたくさんの家を作れ」という

会社の方針で、残業や休日出勤をして

とてもくたびれていたのです。

 

リスは、そうして、がんばっていましたが、

あるときから、自分の心と向き合い、

「嫌なことはやめてみる」ということを

実践していきました。

 

大工の会社を辞めて、たくさんの

時間ができたのです。

 

リスは、そうしてようやく嫌なことを

辞めて、自由に生き始めます。

 

毎朝お散歩をしたり、趣味の山登りを

仲間としたりしました。

 

仕事のことなんか忘れて、しばらくの間は、

自分の好きなことをするのです。

 

そうすると、不思議と乱れていた

生活リズムも整っていきました。

 

食べ過ぎていた木の実の量も、段々と

減っていき、適量になっていきます。

 

リスのむくんでいた身体もスッキリと

していきました。

 

リスは、心も身体もずいぶんと健康に

なっていったのです。

 

最初は、こんな生活をずっと続けていこう、

リスは、そう思っていました。

 

でも、しばらく経つと、どうもなにかが

物足りない気がしてくるのです。

 

毎朝のお散歩、趣味の山登りをしても

どうにも満たされない何かがありました。

 

同時に、もちろん、今がとても幸せだとは

わかっているつもりです。

 

それでも、何かを求めているようです。

 

この日もそれが知りたくて、いてもたっても

いられなくなり、山登りへ出かけます。

 

そろそろ頂上にたどり着く、というときでした。

 

大空から大きなフクロウが

降り立ったのです。

 

リスは、ビックリして、尻もちを

ついてしまいます。

 

フクロウは、羽を差し出し、リスを

起き上がらせてくれました。

 

「ありがとう」

 

フクロウは、そのまま笑みを浮かべながら

お話しを始めます。

 

「リスさん、リスさんはもう充分に」

「満たされてきているように感じます」

「今、幸せでしょう?」

 

リスは、目を輝かせながら

「幸せです」

 

フクロウは、そう答えるとわかっていたようです。

 

「でも、何かが満たされていないと思っている?」

 

「そうなんです」

リスは、見透かされていました。

 

「きっとね、リスさん、もう幸せになったから」

「リスさんの魂は、今度はステージを上げて」

「もっと、他の小動物や鳥たちのお役に立ちたい」

「そう思っているのではないですかい?」

 

リスは、そんな風に考えたことは

ありませんでしたが、下腹部のあたりが

ドクドクと動き出したのがわかりました。

 

「リスさん、もう、次の行動をするタイミングが」

「やってきているんだ」

 

そう言うとフクロウは、再び大空へと

羽を広げて帰っていきます。

 

リスは、その姿を見上げながら、

「お役に立つ」

そう呟くのです。

 

それから、しばらくの時間が経ちました。

 

リスは、自分と同じように働き過ぎたり

頑張り過ぎて、自分を見失っている

動物や鳥たちのために、アドバイスが

できるカウンセラーになることにしたのです。

 

「自分の経験を活かしてみたい」

「そして、動物や鳥たちのお役に立ちたい」

 

リスの、とてもリアルな体験に基づくアドバイスは、

たちまち好評を得るようになりました。

 

多くの動物や鳥たちに感謝をされるように

なります。

 

リスは、自らの体験を通して、次のステージに

上がりたい動物や鳥たちを見事に導くことが

できるようになったのです。

 

そこには、リスが、しっかりと自分と向き合い、

成長を果たしたからに他なりません。

 

そうして、リスは、そういった歓びに満ちた

仕事をしながら、幸せに森の中で暮らします。

 

リスは、あのとき教えてくれた

フクロウに感謝をしています。

「フクロウさん、ありがとう」

 

その逆に、リスは、多くの動物や鳥たちからも

言われています。

「リスさん、ありがとうございます」

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。