皆さま
新しいことを始めるとき、
怖くてたまらないじゃないですか。
私もそんな風に感じるひとりで
あります。
でも、その恐怖心の正体を知れば、
怖さは半減していくのだと思います。
せっかくのチャンスを逃さないように、
この物語を書いてみました。
卵が教えてくれます。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「恐怖が出たらGOサインの真相を探る物語」
~卵の行く末~
とあるおでん屋さんに住んでいる
卵がありました。
卵は、おでん屋の人気者です。
ゆで卵になって、殻を向かれて
いい匂いのするだし汁で、煮込まれます。
多くのお客さんが、卵を求めて
おでん屋を訪れるのです。
だから、卵としても、毎日楽しくて
仕方がありませんでした。
でも、そんな日々は、意外と長くは
続かなかったのです。
卵にはどうしてかわかりませんが、
おでん屋にお客さんが来なくなって
しまいました。
卵の出番は日に日に減っていきます。
それでも、卵は来たお客さんに
喜んでもらえるよう、美味しく煮込まれて
いったのです。
そうして、ある日から全くお客さんが
やってこなくなりました。
もしかしたら、おでん屋自体を営業して
いなかったのかもしれません。
卵には、その諸事情はわかりませんでしたが、
出番がなくなりがっかりとしているのです。
でも、卵には、あるお知らせがやってきます。
おでん屋だったお店が、お持ち帰り専門の
洋食屋さんになることになったのです。
卵はそれを聞いて、うれしい反面
恐怖心が湧いてきました。
卵は、ずっとおでんの卵にしかなったことが
なかったからです。
卵にとっての洋食と言えば、オムライスでした。
卵の殻を容赦なく剥かれて、黄身も白身も
ガチャガチャに混ぜ合わされてしまいます。
卵は、それを想像して、なんて恐ろしいんだと
恐怖でいっぱいになりました。
だから、卵は、この洋食や行きの
生き方を断ろうかと考えているのです。
でも、卵の中に、新しい挑戦をして
また新しい人たちを喜ばせることができる
という、ワクワク感が胸のあたりにあることも
知っていました。
なぜ、それなのに恐怖感が強く出るのか
不思議にも思っているのです。
恐怖感が出ては落ち着いて、ワクワク感もあり、
いったいこれはなんなんだろうと、卵自身も
わからずにいました。
「怖いから洋食屋行きは断ろう」
卵は、よくわからないからこそ、
どうしていいかわからないからこそ、
そんな風に決断してしまったのです。
そうして、次の日にそれを伝えようと思い、
眠りに就きました。
すると、不思議な夢をみます。
「恐怖はGOサインでもあるんだよ」
「初めてやることは、誰だって怖いんだから」
「でも、卵さん、胸のあたりにある光る」
「ワクワク感を感じてごらん」
卵は、眠っているはずでしたが、
胸のあたりにある、光るワクワク感を
じっくりと感じてみました。
たしかに、卵には
「新たな洋食に挑戦して、人々を喜ばせたい」
そんな確かな想いを感じることができたのです。
そうして、明くる朝を迎えます。
卵の意識は変わっていました。
昨日までは、洋食屋行きを断ろうと
決めていましたが、
「怖いけどやってみる」
「ダメなら戻ってくればいい」
そう、決心し直したのです。
そうして、卵は、洋食屋行きを
決めました。
結果、恐怖感もありましたが、
卵は、見事なオムライスへと
変貌を遂げて、人々に喜ばれるように
なったのです。
卵は、しみじみと振り返ります。
「怖かったけど、あのとき」
「勇気を出して、進んでよかった」
「あのときの自分」
「ありがとう」
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。