皆さま
人生に闇があったなって感じる人も
いらっしゃるかと思います。
私も体験を通して感じますが、闇は
できればない方がいいですよね。
でも、闇はあるものはある、感じるものは
感じます。
では、なぜ人生に闇が存在するのでしょうね?
その真相を知ると、急激に生きるのが楽に
なりました。
そのことを小動物の代表格リスが
教えてくれます。
鳥かごの似合わないフクロウも
登場するようです。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「人生になぜ闇があるのか真相を知る物語」
~リスが肌で実感する~
森の中に住むリスがいました。
リスには家族がいます。
今ではお母さんになり、子どもも
いるのです。
でも、リスのお母さんはとても深い
闇を抱えていました。
それは、どうしても自分の子どもに
厳しくし過ぎてしまうのです。
子どものリスが、木の実の皮を
うまく剥けなかったりすると、
「そんなことでどうするの!」
なんて、怒ったりしてしまいます。
時には、子どもに自分でも信じられないほど
意地悪なことをしてしまったりします。
「今日は木の実をあげないからね!」
「欲しかったら、言うことを聞きなさい!」
さらには、リスのお母さんは、子どもを
叩いてしまうこともありました。
それは、リスのお母さんが子どもたちの
ために、採ってきた貴重なクルミを
夕飯に出したときのことです。
子どもは、素直にその味について
感想を言いました。
「クルミはあまり美味しくない」
「いつもの木の実の方が美味しい」
この言葉に、リスのお母さんはカーッと
なってしまいました。
そのまま、怒りに任せてリスのお母さんは、
子どもを強く叩いてしまったのです。
リスのお母さんは、その後、強烈な
罪悪感にさいなまれました。
子どもにも謝りましたが、その罪悪感は
一向に消えることがなかったのです。
そう、実は、リスのお母さん、自分が子どもの頃、
実の母親に、とても厳しく育てられました。
そのときも、母親に厳しい言葉をかけられたり、
やっぱり、叩かれたりもしたのです。
リスのお母さんは、自分がお母さんになったら、
「絶対に自分の母親のようにはならない!」
そう、決めたはずでした。
でも、実際に母親になったら、子どもに
手を上げたり、意地悪をしてしまったのです。
「反面教師にしたかったのに、できない」
そのことは、リスのお母さんにとって、
とても深い闇として存在し続けました。
そうして、深い反省と、深い罪悪感を
感じながら、リスのお母さんは、それでも
日々を過ごし続けます。
けっこう、苦しい気持ちだったようです。
リスのお母さんの夫である、リスのお父さんは、
気を使ってくれたのか、子どもたちを連れて
山登りに出かけていきました。
リスのお母さんは、久しぶりに一匹での
時間を過ごすことになります。
何をしようか、考えましたが、あまり
アイデアが出なかったので、リスのお母さんは
そのあたりへお散歩へ出かけました。
少し歩くと、妙に気になる大木を見つけます。
「こんなところに、こんな大木があったかしら」
リスのお母さんがそう感じていると、
大木の上の方から、羽ばたく鳥が
降りてきたのです。
それは、なんと、夜行性のはずのフクロウ
でした。
「あなたが、やってくるの待っていましたよ」
「リスさん」
そう言われて、リスのお母さんは
とても驚きます。
そうして、フクロウは、お話しを続けました。
「リスさん、あなたは今とても深い闇を抱えている」
「リスさんは、それが自分を苦しめていると思い込んでいる」
「でもね、リスさん、闇がなぜあるのか考えたことはありますか?」
リスのお母さんは、考えてみましたが、
答えが出せませんでした。
「それはね、光があることを知るため」
「ただただ、それだけなんですよ」
「リスさん、あなたは、小さい頃にお母さんに叩かれた」
「だから、それを自分の子どもにはしないと決めた」
「でも、実際に子どもができたら、お母さんと同じことを」
「わが子にしてしまった」
「たしかに、とても辛い体験かもしれない」
リスは、そこまで言われて、なんだか
泣きそうになっています。
フクロウは、それでも続けました。
「でもね、リスさん、叩かれたことは、とても辛かった」
「そこで、リスさんは、同じことをしないと決めた」
「それは、闇の体験を光の体験に変えようとしている」
「だからね、あなたのお母さんは、身体を張ってそのことを」
「教えてくれた存在だったんですよ」
リスのお母さんは、目を見開いて
何かが脳天から突き刺さるような
感覚に陥ります。
「え、そういうこと・・・」
「お母さんは教えてくれていた」
「闇を知るからこそ、光の存在を知れた・・・」
フクロウは、少し安心した表情を浮かべます。
「そうですよ」
「リスさんの体験は、決して無意味だったわけじゃない」
「そうして、今、してしまったこと」
「それは、過去の闇の体験を光に変えれば」
「必ず、光の方向に変わっていきますから」
「だって、お母さんに叩かれて」
「あなたは、家族を大切にしたい」
「リスたちに優しくありたいって、本当は」
「感じているじゃない?」
「それを認めて、お母さんのこともゆっくりと」
「許してあげてくださいね」
リスのお母さんは、そこまで言われて
もう泣くしかありませんでした。
そうなのです、リスのお母さんは、
本当は、その体験を通して
「家族を大切にしたい」
「リスたちに優しくありたい」
そんなことを本音では思っていた
はずだったのです。
それから、リスは、自分の闇の体験を
ひとつひとつ、解釈を正していきました。
それと同時に、自分の母親についても
許していったのです。
そうすると、不思議と、目の前にいる
子どもたちが愛おしくて仕方がなくなって
いきました。
それから、しばらくしてリスのお母さんは
自分の子どもたちに手を上げることは
なくなったのです。
もちろん、リスのお母さんも生きているので、
子どもたちにイライラしたりすることも
あります。
でも、それもまあいいか、と許せるように
なっていきました。
リスは、家族に囲まれてこれほどまでにない
幸せを感じています。
今日も、夕食を家族みんなで食べながら、
幸せを感じます。
リスのお母さんは、大切なことを教えてくれた
自分のお母さん、そして、あのときのフクロウに
感謝をするのです。
「ありがとう」
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。