皆さま
都会の生活って便利でいい部分も
たくさんありますよね。
でも、それだけだとどこか何か窮屈感を
感じてしまうこともあります。
やっぱり、人間にも自然が必要なのだと
私自身、経験から感じます。
そんなことを小動物の代表格リスが
教えてくれました。
鳥かごの似合わないフクロウも
登場するようです。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「なぜ人間には自然が必要なのか知る物語」
~リスのストレス解消~
森の中に作られた街に住む
リスがいました。
リスの住む街は、一軒一軒の
家が区分けされていて、土だった
道も舗装されています。
食事も昔は木の実を採ってきて
食べていましたが、今では、
木の実が保存できるよう加工されて、
パックに入っているようなものを
食べているのでした。
そう、森の中にある町ですが、
まるで都会の様になっています。
そこに住むリスは、たしかに
この生活は便利だと感じていました。
会いたいリスにもみんなが密集して
住んでいるので、すぐに会いにいけます。
水も食事も集められているので、
すぐに手に入ります。
街を整備するために森の木もほとんど
切られてしまっていました。
リスも便利な生活を送っていますが、
そんな環境だったこともあり、なんだか
窮屈感を感じることもあります。
でも、それは無意識的なものでした。
きっと、リスのどこかに、自分たちは
自然の一部だという気持ちがあったのかも
しれません。
そうして、リスは、どこか窮屈感を
感じていたある夜、なぜだか眠れずに
いました。
都会のような街の夜は、静かなようで
静かではありません。
リスは、眠れなくなったので、外に出て
大きくなった月をボーっと眺めています。
すると、大きな月に重なるように、
羽ばたく何かがいることに気が付きました。
その羽ばたく何かは、リスにどんどんと
近づいてきます。
それは、フクロウでした。
フクロウは、そのまま空を見上げる
リスの元へとやってきます。
フクロウが羽を畳み終えると、リスに
話しかけるのでした。
「こんばんは」
リスがそれに応えると、フクロウは
話しを続けます。
「リスさん、なんだか疲れていませんか?」
「リスさん、あなたはどうしたって」
「都会に住んでいようが、自然の一部です」
「だからね、ずっと都会にいてもいいけど」
「疲れたら、昔みたいに森の中、自然の中で」
「過ごしてみるといいんですよ」
リスは、突然の訪問者である
フクロウの話しを不思議とふむふむと
聞いていました。
「リスさん、眠れないならこれから自然へと」
「行ってみませんか?」
リスは、フクロウの言うまま
山登りに行く恰好へと着替えて、
出かけることにしました。
フクロウがリスを誘います。
しばらく歩くと、そこへたどり着きます。
そこは、自然溢れる場所でした。
ただただ、木が生え、虫が呼吸をし、
草が生い茂る場所です。
夜なので、暗いですが、月が明るく
照らします。
フクロウとリスは、そこに静かに
身を置きました。
自然も、そこにただただあるがままで
存在するだけです。
しばらくそこにいると、まるで
「あるがまんまでいいよ」と
リスは、言われている気分になってきました。
「自然の一部」
「あるがまんまでいい」
フクロウは、リスがそんなことに
気が付いていくことを、感じていました。
それを感じたら、フクロウは帰り道を
リスに教えて、そのまま月夜に向かって
羽ばたいていきます。
リスは、なんだか心が穏やかになったことを
実感していました。
その日は、とてもよく眠れたのです。
「これからも、定期的に自然の場所に行こう」
「昼間にお散歩コースにしてみよう」
そんな風に感じて、それからも
「自分は自然の一部だ」ということを
忘れずに、「あるがまんま」になりに
自然を訪れるようになりました。
「フクロウさん、大切なことを」
「教えてくれて」
「ありがとう」
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。