皆さま
我慢が美徳とされてきました。
でも、我慢をし続けると、もう
わかりやすいくらいに身体や心に
お知らせがやってきますね。
私も自ら体験して、実感しております。
そんなことを水槽や海の写真の
主人公エビが教えてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「もう我慢し続ける必要なんてないと知る物語」
~エビの身体の変化~
海の中にエビが住んでいました。
エビは、海水魚たちが食べる
食材を運ぶ仕事をしています。
来る日も来る日も、食材を背中や
細い手で掴んで運ぶのです。
とても大切な仕事だと思って
エビは、がんばっていました。
少しばかり疲れようが、出社して
仕事をするのです。
疲れていようが、やっぱりエビの中で
休むということはできずにいました。
エビは我慢をしている部分もあるのです。
それでもエビは食材を運ぶ仕事を
し続けます。
すると、エビの背中というのか腰が
痛むようになりました。
なんとか、他の海水魚たちに
マッサージをしてもらったりして、
エビは仕事を続けます。
でも、痛みはどんどんと増すばかりです。
とうとう、エビは、背中や腰の痛みで
食材を運ぶ仕事ができなくなってしまいました。
「イタタタタ」
エビは、横たわったまま、
「あー、仕事に穴を開けてしまった」
そんな風に思っています。
「明日こそ出勤しなくては」
そう、思い、エビは重く痛い腰を
上げるのです。
そうして、エビは、身体を動かそうと
水草の合間をぬってお散歩の様に
泳ぎました。
すると、水草の中からタコが出てきます。
タコは、エビを見るなり、言いました。
「エビさん、もうね」
「無理しすぎ!」
「もう、そんなことしている場合じゃないから」
「身体がきついでしょう?」
「もう悲鳴をあげているでしょう?」
「もうね、我慢する必要なんてないから!」
エビは、身体に鞭打って仕事を
続ける気でした。
でも、タコにそう言われて、自分が
無理をしていたことにようやく
気が付いたのです。
「エビさん、もう我慢はやめて」
「やりたいことをやってみたらいいさ」
「もう、そういう時代だよ」
タコは、それだけ言って、墨を
パーッと吐いて、その場を後にしました。
エビは、そうか、そうなのか、
やりたいことをやればいいのか、
改めて考えるのです。
「まずは、自分の身体を休めよう」
エビは、そう思いつきました。
背中や腰が痛いけど、いつも寝ている
岩場の家だと、エビは身体が痛くて
あまり癒される気がしていません。
「そうだ!柔らかい寝床を作ってみよう」
エビは、まだ身体が痛みますが、帰りがけに
フワフワの水草を持って帰ることにします。
フワフワの水草を敷き詰めて、エビは
寝床を作ってみました。
その上でエビが眠ってみると、
なんとも快適で、身体が癒されていったのです。
背中や腰の痛みも少しずつですが、
柔らかになっていきました。
「これは、きっと他の海水魚たちのお役に立てる」
エビは、大切なことに気が付きました。
「あー、これが、やりたいことなんだ」
エビは、そう気が付き、食材を運ぶ仕事を
辞めることにします。
身体に支障が出てきたこともきっかけに
なりましたが、それと同時にやりたいことが
見つかったからです。
そうして、エビは、水草を編んだりして
海水魚が快適に眠ることができる
寝床づくりを仕事にしていきました。
多くの海水魚、特に、身体にガタがきていたり、
不自由がある海水魚に喜ばれるように
なったのです。
エビは、そんな海水魚たちからお礼を
言われたり、喜んでくれる姿を見る度に
この仕事をしてきてよかったと心の底から
魂が震えるような思いを味わうことになりました。
「あのとき、我慢をし続けずに」
「やりたいことをやり始めてよかった」
エビは、自分のことをそう振り返ります。
そうして、身体が痛くて痛くて仕方なくて、
それでも我慢をし続けようとしていた自分に
大切なことを教えてくれたタコさんに感謝を
しました。
「タコさん、あのときはありがとう」
「タコさんのおかげで、魂が震える」
「仕事をすることができるようになりました」
「ありがとう」
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。