皆さま
今を生きていて、出会う人がいて・・・
それって単なる偶然なのでしょうか。
もしかしたら、とても奇跡のようなことが
起きていて、本当に大切な時を共にしているのかも
しれません。
そう思うだけで、目の前の人との時間が
尊いものだと感じますね。
そんなことを鳥かごがよく似あう
文鳥が教えてくれました。
小動物の代表格リスは、今日はお休みの
ようです。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「今を共に生きている奇跡の物語」
~文鳥が交わした固い約束~
今からずっとずっと昔のことです。
文鳥らしき影がふたつ、ユラユラと
水が流れる場所で、話しをしていました。
「ずっと、ずっと先のことだけど」
「必ず出会って、共に同じ時代を」
「生きよう」
「必ず」
ふたつの文鳥の影は、ユラユラと
水の上で心地よさそうに、しています。
「必ず出会って、同じ時代を生きる」
そうして、ふたつの文鳥の影は、
離れ離れになって、やがてゆっくりと
消えていきました。
とてつもない時が流れていきます。
一羽の文鳥がいました。
文鳥はなぜだか自分でもわかりませんが、
水辺にいることが好きだったのです。
この日も文鳥は水辺で、水の流れを
見ていました。
文鳥は泳ぐことはできないので、
決して水に落ちないように注意は
していたのです。
しかし、次の瞬間、水辺の文鳥目掛けて、
後ろから石が落ちてきました。
あっという間に、石は文鳥に当たり、
文鳥は水の中へと落ちていってしまったのです。
文鳥は泳ぐこともできず、大きな声で
鳴きましたが、助けられることはありませんでした。
そのまま川の流れに沿って、ずっと
流れていったのです。
「これで、命を終えるのだ」
文鳥はそう信じて疑いませんでした。
泳ぐことすらできず、川の流れに
逆らうこともできず、流れ続けているのです。
とても長い時間が経ちました。
文鳥は、意識をほとんど失いかけて
います。
何も食べることなく、冷たい水に
さらされているのです。
文鳥は、最初は羽を広げて川の流れに
逆らっていましたが、完全に羽を閉じて
流れに逆らうことをやめました。
すると、どんどんと文鳥は流れて
いきます。
そうして、「ストン」という音とともに、
文鳥は落ちていきました。
それは滝つぼです。
滝を滑り落ちていきました。
しばらくして、水中から身体の力が
抜けきった文鳥が浮かび上がって
きます。
鳥の鳴き声があたりに聞こえてきました。
文鳥は、自分が生きているのどうなのか
それもわからなくなっていたのです。
文鳥は滝に押し出されるように、
岩場へ身体を押し上げられました。
文鳥は目をゆっくりと開いてみます。
目の前には、自分とうり二つの
文鳥がいました。
「懐かしい」
「あ、助かった」
「約束」
息も絶え絶えの文鳥に湧きあがってきたのは、
そんな気持ちだったのです。
2羽の文鳥は、初めてあったはずなのに、
ここで会うべくして会ったかのように、
驚いていませんでした。
長い時間、流れてきた文鳥を
待っていた文鳥が看病します。
それからは、2羽でごくごく自然に
生活を共にするようになったのです。
その時間がかけがえがなくて、
幸せを噛みしめて生きていきました。
「やっと会えたね」
「会える日をずっと待っていたよ」
2羽の文鳥は、今日も何気ない
一日を過ごしています。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。