皆さま

 

人間、生きていくうえで一気に

幸せを感じることがあります。

 

それが、「愛されている」ことに気が付く

ことだったりします。

 

すると、不思議とパワーがみなぎるのですね。

 

そんなことをこの物語が教えてくれました。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「自然にしていると自然と愛される物語」

~少女が花を愛でる~

 

あぜ道に咲く1本の花が

ありました。

 

花は、なぜだかはわかりませんが、

「愛されたい」と思いながら、

花を咲かせています。

 

花を咲かせれば、きっと愛される

そう信じて花をなんとか咲かせたのです。

 

でも、このあぜ道には、なかなか

人も動物だってやってきませんでした。

 

花は少し不満気です。

 

「せっかく花を咲かせたのに」

 

それでも花はもう咲き続けるしか

ありませんでした。

 

雨の日も風の日も、じっと黙って

咲き続けるのです。

 

それでも人も小動物もほとんど

やってきることはありませんでした。

 

たまにやってきたとしても、花の

存在にも気が付かない様子で

通り過ぎてゆきます。

 

花は、どこかで愛されることを

諦めていきました。

 

「もう、愛されようが愛されなかろうが」

「どちらでもいい」

 

「どちらでもいい・・・」

 

花は、静かな夜を過ごします。

 

月明かりに照らされた花は、

自分の想いがあぶり出される

気がしていました。

 

それは気のせいではありません。

 

「愛されることを追い求めていた」

「でも、どちらでもいい・・・」

 

「愛されようが愛されなかろうが」

 

「何も変わらない」

 

「花は花のまま」

「自然のままであればいい」

 

不思議な夜でした。

 

花の想いがあぶり出されて、

何かそれが、今の花にとって

いらないものだと理解することに

なったのです。

 

月の明かりに手伝ってもらって、

花は新たな生き方を選択しました。

 

「花は花として生きる」

「誰かに愛されるために生きるのではない」

「それは、なぜか・・・」

 

花は、静かな夜を終えて

そのまま静かな朝を迎えました。

 

花の中にも今まであった雑音のような

ものは、まったくなくなっていたのです。

 

花の中も静かになっていました。

 

あぜ道も相変わらず静かなままです。

 

ところが、少しの時間が経つと

跳ねるようなどこか楽しげな音が

してきます。

 

足音でした。

 

見ると少女が、楽しげにあぜ道を

歩いています。

 

「あ、お花が咲いてる!」

 

少女は、ずっと見つけられることのなかった

この花を見つけたのです。

 

花の心の中は、それでも静かなままでした。

 

そうして、少女は花に一歩二歩と

近づきます。

 

とても小さな手を広げて、花の頭とも

言えるところを優しく撫でました。

 

「かわいいお花ね」

 

何度も何度も少女は花を撫でたのです。

「少女が花を愛でる」

 

それでも、花は少女の優しいぬくもりや

愛を感じながら、花であり続けます。

 

少しの迷いもありませんでした。

 

あんなにも求めていた「愛されること」が

今まさに現実のものになっているようにも

思えましたが、花はそのままなのです。

 

「かわいい」

 

少女は、花を目一杯愛で続けます。

まるで、花が長らく追い求めてきたことを

少女が知っているかのようでした。

 

花は、静かに感じ取ります。

 

「愛されようが、愛されてなかろうが」

「自然のままであることで、必ず」

「愛されている」

「その価値は何も変わらない」

 

そうして、花を撫で続けたくれた

少女は、その場を後にしました。

 

その足取りはさらに楽しげに

感じます。

 

花は少女を見送りながら、

なぜだかはわかりませんが

そっと一滴の滴を落としました。

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。