皆さま

 

今回は少し不思議な物語かもしれません。

 

この世界は誰しもひとつだけだと

信じて疑いません。

 

でも、生きる世界は自分で選ぶことが

できると聞いたら、どんな世界で生きたいと

思いますか?

 

そんなことを小動物の代表格リスが

教えてくれました。

 

鳥かごに入っているのが似合わない

フクロウも登場するようです。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「自分の好きな世界を生きればいいと知る物語」

~リスが世界を変える~

 

木々が生い茂る森の中に

リスが住んでいました。

 

リスは、毎日早く起きて、お散歩も

することなく、山登りを楽しむでもなく、

仕事場に向かいます。

 

そこでは、朝から晩まで働くのです。

リスは、前歯を使って木を削って、

動物たちが使う家具を作っていました。

 

そして、リスには、同僚もいれば

上司もいるのです。

 

仕事で少しのミスをしたり、お客さんから

クレームが来れば、リスは上司から

こっぴどく怒られました。

 

それでもリスは歯を食いしばって

この会社に残り、仕事を続けてきたのです。

 

上司に気を使い、上司の冗談に

顔を引きつらせながら、愛想笑いを

しました。

 

リスが選んだこの世界は、そういう

世界だったのです。

 

そんなある日、お客さんである

フクロウから会社に連絡があります。

 

「月光浴をするために、止まり木をお宅で買ったんだが」

「これを作ったリスに、家に来て欲しい、是非見て欲しいんだ」

 

そうして、リスは、会社の上司から

すぐさまフクロウの元に行くように

きつく言われます。

 

リスは、「きっとクレームだ」そう覚悟して、

フクロウの元を訪れるのです。

 

意を決して、フクロウの住処に

リスは入っていきました。

 

「怒鳴られるかも」

「あの鋭いくちばしで突っつかれるかも」

 

そんな恐怖感もありましたが、

そんな思いとは裏腹にフクロウは、

リスを歓迎してるようでした。

 

「よく来てくれたね」

 

リスは恐縮しながら、フクロウと

世間話を交わしました。

 

フクロウは、リスの勤める会社から

購入した止まり木を見せてくれます。

 

「よくできているよ」

 

「何か不具合があったかと思いました」

リスは恐縮して、そんな風に

答えます。

 

フクロウは、返事をせずに続けました。

 

「ただ一点、気になることがある」

「リスさん、この木を削るとき」

「とても力が入っている」

「歯を食いしばっているかのようだ」

「それが、この止まり木に出ているよ」

 

「え?」

リスは、正直フクロウの言っていることが

わかりませんでした。

 

でも、フクロウに細かに指摘され

少しずつ、思い当たる節が出てくるのです。

 

フクロウは、ゆったりとお気に入りの

ソファに腰かけて、リスを諭すかのように

語り掛けました。

 

「自分の生きる世界は自分で選べるんだよ」

「リスさん、本当に今の猛烈企業で働くこと」

「その世界が自分に合っているかい?」

「本当は猛烈に拒否したいくらい、食いしばって」

「がんばって、我慢しているのではないのかい?」

 

リスは、そう言われて、少し茫然と

しましたが、なぜだか涙が止まりませんでした。

 

それは、リスがとても我慢を自分に

強いてきたからです。

 

それこそが、自分の生きる世界だと

思い込ませて我慢をさせて生きてきたからです。

 

それをフクロウの確信をつく言葉によって、

せき止めていたものが、崩壊しました。

 

「そう、生きる世界は自分で選ぶんだ」

「これだけ伝えられたらけっこう」

「あ、この止まり木はよくできている」

「今日のことは、そのように伝えていいから」

 

リスはフクロウから、そう言われ、

フクロウの住処を後にします。

 

「そうか、自分の世界は自分で選ぶか」

 

それに気が付いてしまったリスは、

今の会社に勤めることが、自分の

望む世界ではないことが、ハッキリと

してしまいました。

 

そうなると、もう続けることなど

リスにはできなかったのです。

 

「恐ろしく上下関係のきつい世界からは卒業しよう」

「僕は、年齢や立場は違ってもどこかフランクな」

「そんな対等な関係を持てる世界で生きたい」

 

リスは、そんな風に自分の思いに

気が付きました。

 

すると、不思議なことに、リスの周囲には、

とても素直で純粋な、いろいろな年齢の

リスが集まってきたのです。

 

とても若いリスでも、もちろんリス同士の

最低限のマナーは守りながらも、とても

フランクに接してくれました。

 

その逆も然りです。

 

それぞれのリスの特性、個性を

活かして、必要以上なルールで

縛ることなく、仲間となっていきました。

 

それぞれが、得意なことを活かして・・・。

 

気が付けば、リスは、自分の個性を

活かしてできる木の実を加工する

ナッツのお店を経営するようになるのです。

 

リスは、前職での経験を活かしやすい

木の実の皮を剥く仕事をしました。

 

木登りの得意なリスは、木の実を見つけてきます。

力持ちのリスは、木の実を運んできます。

俊敏なリスは、ナッツをお客さんに

届けました。

 

それぞれが、特技、個性を活かしたのです。

 

すると、このナッツのお店は、いろいろな

動物から愛されて、人気を博しました。

 

気が付くと、リスの周囲には、とても

幸せそうなリスが増えていったのです。

 

「あ、住む世界が変わった」

「本当に生きる世界は自分で選べるんだ」

 

リスは、幸せを噛みしめながら、

それを実感しました。

 

そうして、そのことを随分前に

教えてくれたフクロウに感謝をするのです。

 

「フクロウさん、大切なことを教えてくれて」

「ありがとう」

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。