皆さま

 

人生に辛いことなんてない方がいい、

それはたしかにそうも思います。

 

でも、辛いことがあったからこそ、

人間はやっとこさ考えて、行動を

変えていくという側面もあります。

 

だからこそ、人生には辛いことも起きるのかも

しれないですね。

 

そんなことを鳥かごに入っているのが

似合わないフクロウが教えてくれました。

 

小動物の代表格リスも、少しだけ登場します。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「人生に辛いことがあるのには意味があると知る物語」

~フクロウの逆転の発想~

 

自然溢れるその地に、フクロウが

いました。

 

フクロウは、まだ小さくうまく

飛べないような子どもです。

 

でも、良く見ると、今まさに親の

フクロウから落ちてしまい、ものすごい

スピードで谷底へと落ちていって

いました。

 

親フクロウは慌てふためき、

急いで子どものフクロウを救おうと

滑降してゆきます。

 

しかし、残念ながら親フクロウは

落としてしまった子どものフクロウを

救うことができませんでした。

 

そうして、子どものこのフクロウは、

谷底へと落ちてゆきます。

 

なんと運よく、様々なことが重なり

谷底に落ちても、フクロウは生きて

いました。

 

しかし、まだ子どものフクロウ、このまま

どうして生きていけばいいかもわかりません。

 

それでもこのフクロウ、谷底で

生き物の本能からなのか、生き続ける

のです。

 

谷底の土の中などから餌を探し、

山から流れる雨水で喉を潤しながら

たった一羽で、しかも子どもながら

生き延びていきました。

 

孤独との戦いは想像を絶するものでしたが、

フクロウは、少しずつ生きながら成長を

果たしてゆきます。

 

「飛べるようになったら、この谷底から脱出するんだ」

 

そう言い聞かせて、そう願いを込めて、

毎日を生き抜くのです。

 

フクロウは、とても辛い思いもしました。

 

やっぱり、大好きなお父さんやお母さんにも

会いたかったのです。

 

でも、もう簡単には会えません。

 

例え、自分が成長して飛べるようになり、

お父さんお母さんと会いたいと思っても

その姿がどこにあるかだってわかりません。

 

フクロウは、そのことを考えると

羽のあたりがキュッと痛むのを感じます。

 

でも、フクロウは、生き続けました。

 

本当に不思議なことですが、フクロウも

たった一羽ですが、この谷底での暮らしに

少しずつ慣れてゆくのです。

 

でも、ここで感じたのが、やっぱり

フクロウも他のフクロウや鳥たちとも

交流をしたいと思いました。

 

谷底で一羽で暮らしているので、なにを

どうしていいのか、まったく情報だって

入ってきません。

 

それは、やっぱりフクロウにとっても

怖いものでした。

 

「外の世界はいったいどうなっているのだろう?」

 

でも、たった一羽でいるフクロウ、もうこうなると

対話するのも自分自身で行うしかありません。

 

多くの時間をそんな風にして自分と対話して

過ごすようになります。

 

「なんで、こんな谷底で暮らさなくてはいけないんだ」

 

もちろん、やっぱりフクロウに浮かぶ

感情は、そんな風に後悔の念だったり

しました。

 

それもそのはずです。

自分で選んで谷底に来たわけでは

なかったからです。

 

「お父さん、お母さんに会いたいよ」

 

時には、哀しみのあまり泣き続けることだって

ありました。

 

でも、どこかで信じていました。

 

「きっと大丈夫」

「いや、絶対に大丈夫」

「無駄になる一生なんてないんだ」

 

少しずつ、谷底での暮らしにも慣れて、

自分との対話で自分を知り、不思議と

自信をつけていったころでした。

 

フクロウは、飛べるようになったのです。

 

フクロウの心と身体は自由に

なっていきました。

 

谷底からも出てみることにしたのです。

 

お父さんとお母さんとも会えました。

再会するなり、みんなで泣いて喜びました。

 

そうして、両親は子どもを谷底に

誤って落としてしまったことを、とても

強烈に後悔しているようでした。

 

それからひとつ、フクロウには新たな

想いが湧いています。

 

「僕と同じように孤独や不自由で苦しむ人たちを手伝いたい」

 

それは、フクロウの体験を経て生まれた

純粋な想いでした。

 

辛い体験をしたからと言って、いつまでも

不幸でいる必要もないと感じたのです。

 

それだったら、逆にそんな辛い体験を活かして

周囲に幸せになるきっかけを作れるようにしたい、

そんな風に思ったのでした。

 

それからフクロウは、山や森の上を見事な

羽を羽ばたかせて飛び回り、孤独や不自由を

感じている動物たちの元へ飛んでいくのです。

 

そうして、自分の体験から語れることを

伝えてあげたりしました。

 

今夜も好きなことができずに苦しむ

リスの元を訪れて、自分のできることを

してあげることにします。

 

やっぱり、フクロウが活動をするのは

夜でした。

 

そうして、自分が手伝ったことで、幸せになっていく

動物たちを見て、フクロウは、さらなる幸せを

感じるのです。

 

「あの辛い谷底での暮らしが役に立っているよ」

 

一仕事を終えたような清々しさを感じる

フクロウの背中から月が淡く光を照らしています。

 

フクロウは、谷底での辛い生活を送りながらも、

片時も離れず見守ってくれた月に向かって、伝えました。

 

フクロウにとって谷底から毎夜見える月には、

とても助けられた思いがあったのです。

 

「いつも見守ってくれてありがとう」

「辛いと感じる体験には、大切な意味が隠されているんだね」

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。