皆さま
生きる上で、何かに熱中することも
あります。
それが、本当に心からの歓びだったら
ほころびは出てこないかもしれません。
でも、どこかで無理をしているとほころびが
ほろっと出てくるかもしれないのです。
余白を作って生きる素晴らしさを
リスが教えてくれました。
こんなリスがいたら、芸術学部に行って、
絵画やイラストを書く、芸術家になって
いくかもしれませんね。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「余白を作って生きる大切さを知る物語」
~リスが手に入れたもの~
森の中に住むリスがいました。
リスは、まさに仕事に生きていると
言った感じがぴったりで、朝から晩まで
肉体労働に励んでいます。
リスのお仕事は、鳥などの巣を作る
建築関係の仕事でした。
木に登るのが得意で、手先が器用な
リスは、木の上の現場に行くのも
巣を建設することも得意なことだったのです。
でも、本当にあまり休みもなく
朝から晩まで、毎日のように働いています。
もちろん、その分、リスには報酬が
支払われますが、身体は酷使している
状態でした。
でも、リスはそのことが幸せだと思っていましたし、
特に不満などはなかったはずなのです。
仕事をバリバリして、多くの報酬をもらえる、
こんなに名誉で幸せなことは他にないと
信じていたからです。
リスにとって、そのことは本音なのでしょうか?
そう、リスはどこかでそれを信じずには
いられなかったのです。
もし、今の生き方、生活にゆとりのような
余白をもたらしてしまったら・・・
「仕事をしていない自分に価値なんてない」
「稼いでいない自分って、嫌だな」
「このまま仕事が無くなったらどうしよう」
「他にやることを探すのが億劫だな」
「生活に余白ができたら、もっとすべきことが見つかってしまう・・・」
だからこそ、リスは巣を作ることを
使命だと思って、余白ができないよう
仕事に打ち込んでいたのです。
リスはそのことについて、日を追うごとに
意識するようになっていきました。
心のどこかで、「このまま突っ走っていいのだろうか?」
という、声が聞こえてくるようになってきたのです。
やっぱり、それでもリスは疾走し続けました。
疾走し続ければ、一瞬は、その声が聞こえない
気がするからでした。
でも、その声が止むことはありません。
それでもリスが疾走し続けると、
やっぱり事態が大きく変わる出来事が
起こります。
リスや多くの動物が住むこの森に
原因不明の火災が発生したのです。
危険を感じたリスのお得意さんでもある
鳥たちは、身の危険を感じ、巣を捨てて
新しい森へと飛んで行ってしまいました。
火災は、翌日の大雨で消し止められましたが、
鳥たちがこの森に戻ってくることはなかったのです。
そう、リスは巣を作る建設の仕事を
していましたが、お客さんの鳥がまったく
いなくなってしまいました。
仕事をしたくてもできなくなったのです。
強制的にリスの暮らし、生活に
余白ができました。
生きがいだった、自分の価値を見いだせると
信じていた仕事がなくなり、リスは、毎日
何もやることもなく過ごしています。
だから、強制的に自分自身と向き合うことに
なりました。
それは、やっぱり生活に余白ができたからです。
リスは、やっぱり手先が器用だったので、
何かを作ることをしたくて仕方がありませんでした。
しかし、鳥の巣を建設することは、きっと
当分の間できません。
だから、リスは生活の余白を利用して、
身近にあるものに手を加えることにしました。
落ちている木や木の実を使って、
器用に前歯を使って削り、なんだか
芸術的なアーティスティックな彫刻の
ようなもものを創り上げたのです。
「お、こんなのできた」
リスも自分自身で驚きました。
「こんな能力があったのか」
そうして、来る日も来る日も生活の
余白を利用して、木や木の実で彫刻を
創り上げていきました。
できた作品は、巣の中に飾るスペースも
ないので、鳥の巣がなくなって寂しくなった
木々の上部に飾ってみたりしたのです。
すると、作品を見た動物たちが、
「いったい誰が創ったんだ」と
「素晴らしい」「心が癒される」などと
感想を伝えたいと創り主を探すように
なってきました。
特に、動物たちの子どもたちが
喜ぶことが多いのです。
気が付けば、リスは、そうして
アーティスティックな作品を創り続けて、
多くの動物の子どもたちを喜ばせました。
その結果、毎日毎日身を粉にして
働いていた頃より、ずっと豊かにも
なることができたのです。
リスは、そんな自分の生き方を
振り返りました。
「あのとき、仕事がなくなって不安だったけど」
「自分の生き方に余白ができたことで」
「こんな素敵な仕事をすることができるようになったよ」
「あのときは、本当に」
「ありがとう」
リスは、今日も自分の作品を
独創的な発想で、創り上げていきます。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。