皆さま
人もそうですが、命あるものは
自然と成長を目指すものなのでは
ないかと、近頃感じています。
そうして、やっぱり成長を果たすと
見える景色や体験する出来事も
以前のものとは変わっていきます。
その成長ってなんのことなんだろう?
ということをリスが教えてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「一段階、魂が成長する物語」
~リスが引っ越しを決める~
とある山奥の森の中にリスが
住んでいました。
この森はとても静かで、木々が
風に揺られる音がしたり、せせらぎの
音がしてくるのが心地よい空間です。
リスは、静かなこの場所を
気に入っているのです。
しかし、リスが巣を作ったご近所に
多くの動物がどこからともなく
引っ越してきました。
しかも、その動物たちはもともと
大きな声を出したり、少々荒っぽかったりと
リスにとっては、苦手意識のある
動物だったのです。
それでも、リスは、その場所に
居続けます。
でも、リスもリスで我慢ばかりしていて、
ストレスも溜まっているようでした。
「なんで、あんなうるさい動物が引っ越してくるんだ!」
「あー、うるさいな!」
「静かにしてくれよ!」
なんだか、リスも荒れているようです。
リスは、この起きてしまった出来事を
「嫌なこと」「不幸なこと」と位置付けて
いました。
だから、少しでも動物たちが騒げば、
リスも目くじらを立てますし、静かなときも
いつ、騒ぎ出すのか見張るように
なっているのです。
だから、リスは、生きていても
すごくしんどい思いをしています。
そのリスが住む森の中に、大きな木が
ありました。
そこは、リスがいつも食事をしに行く
場所です。
なぜなら、大きな木は、どんぐりを
落としてくれるからでした。
そのどんぐりをリスは拾って、食事を
するのです。
この日も、あまりに近所の動物たちが
騒々しくて、イライラしながら、巣を
出てきました。
大きな木にたどり着くと、木の下を
どんぐりが落ちていないか探します。
でも、なぜだか、こんな日に限って
何も落ちていませんでした。
と、残念そうにした瞬間でした。
大きな木からどんぐりが、ゆっくりと
落ちてきたのです。
そうして、「コツン」という小さな優しい音がします。
そう、リスの頭に小さなどんぐりが落ちてきたのです。
リスは、ハッとしましたが、目の前に
小さなどんぐりが落ちています。
どんぐりを見ていると、どんぐりは、
リスに優しく語り掛けるのです。
「リスさん、近所に騒々しい動物が来て、しんどい思いをしているね」
「それをリスさんは、不幸なことだとか、不運だとか、そんな風に感じているよね」
「でもね、そのことだって、リスさんにしたら、実は幸せに生きるチャンスが来たと捉えることもできるんだよ」
「だってね、本当は、リスさん、あの場所を気に入っているけど、もっと住みたい場所があるんじゃないの?」
そこまでどんぐりが語ると、
リスはさらにハッとした表情を
浮かべていました。
それ以上、どんぐりが何かを語ることは
なかったのです。
でも、リスは、どこかでそのどんぐりが
語り掛けてくれたことを納得しかけていました。
「不幸なこと」「不運だと思うこと」
それを自分が幸せになるチャンスに変える・・・か
リスは、何か、答えを導こうと
そのことを考えています。
「たしかに静かな場所は好きだけど・・・」
「どうしたいんだろう」
「高いところも好きだな・・・」
リスは、一夜明けて、決心を
します。
「この場所から引っ越そう」
リスは、長年暮らした巣を後にします。
そうして、自分の感覚に沿って、
ここよりも高いところを目指して、
山を登っていきました。
来る日も来る日も登り続けました。
しばらくの間は、鬱蒼とした森林が
広がっています。
その中を登り続けました。
そうして、ようやっと視界が
開ける場所に到達するのです。
山の頂上でした。
山の頂上には、モワモワと
湯気のようなものが立っています。
山の頂上には、なんと温泉が湧いて
いるのです。
リスは、一目でその場所を気に入りました。
温泉にも恐る恐る入ってみます。
「なんて、気持ちいがいいんだ」
リスは、気が付くとこの場所が気に入り、
新しい巣を作り、暮らすことになりました。
そうして、多くのリスをはじめとする、
他の動物たちが入れるように温泉を
整備していくのです。
その温泉は、多くの動物たちの
癒しの場所となりました。
多くの動物たちが、この温泉を求めて
温泉旅行をしたり、マラソンやジョギングの後に
温泉に入り、心も身体も癒しました。
リスは、とても幸せな気持ちになります。
「あのとき、引っ越す決断をして本当によかった」
「いろいろ教えてくれた、どんぐりさん、ありがとう」
リスは、静かに暮らしていました。
でも、騒々しい動物たちが近所に
引っ越してきたことで、とても辛く、
悩むようになったのです。
それは、リスが、その出来事のことを
「不幸なこと」と位置付けたことにあります。
でも、どんぐりから、そのことを
自分が幸せになるチャンス、言い換えれば
魂の成長につなげるチャンス、
そんな風に発想を変えてみることを
アドバイスされました。
リスは、素直にそのことを受け入れ、
実行したのです。
すると、不思議と、その出来事は、やっぱり
幸せになるために必要なことだったというだけで、
リスの一生は、大きく変化をしていきました。
そうして、捉え方を変えることができること、
そのことを魂の成長とも言えるのではないかと、
そんな風にも思います。
リスは、今日も、多くの動物たちの
癒しに貢献し、自信も幸せを感じて
生きているのです。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。