皆さま
いろいろな人生があります。
同じ人生など、ひとつもないわけです。
それで、まあ、いろいろ生きていれば
辛いこともあるじゃないですか。
そんなときに、ふと、そっと思い出すと
いいのが自分は愛されていることだったりします。
大きなエネルギーになるのですね。
そんなことを潮干狩りでも、よく出てくる
アサリが教えてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「自分が愛されていることをそっと思い返す物語」
~アサリが新しい道へ~
浜辺に暮らすアサリがいました。
アサリには、一緒に暮らす仲間が
いて、2つで生活をしています。
人間で言ったら、もしかしたら
夫婦という形になるのかもしれません。
アサリには、就いている
仕事がありました。
それは、浜辺の水を自ら吸って
綺麗にして浄化をする仕事です。
来る日も来る日も自分の身体を
グニュっと伸ばして、浜辺の海水を
浄化していきました。
そのおかげもあって、アサリは、
何不自由なく生活できるのです。
アサリはその仕事をして、帰ってきて
疲れて眠ります。
本当はもっと家族との時間も増やしたいのです。
でも、生活もあるから、自分の身体を使って
浜辺の海水を浄化する仕事を続けていました。
アサリもそれこそが、自分の幸せだと
思って、なぜだか少し苦しくても、我慢を
強いられても、働き続けたのです。
でも、本当はアサリには強い想いが
ありました。
「他のアサリの健康のために、何かできることをしたい」
実は、アサリは小さい頃身体が弱く、
ずいぶんとしんどい思いをしたのです。
だから、いつの日か、健康になったら
仕事をしたいと思い、やっと就けた仕事が
浜辺の海水を浄化する仕事だったのです。
だから、ようやく仕事ができるようになったのだから
満足しなくてはいけないとアサリは自分に言い聞かせて
いました。
でも、そういうアサリの経験もあって、本当は、
「他のアサリの健康のために、何かできることをしたい」
そんな思いを強めていったのです。
そうして、海水の浄化の仕事を続けていましたが、
ある日、どうしても身体の具合が良くないのか、
思うように浄化をすることができなくなりました。
「少しすれば治る」と思いましたが、
なかなか、浄化の仕事ができるまで
回復しなかったのです。
そのときに、
「あ、やっぱり、僕は他のアサリの健康のために、何かできることをしよう」
そう決めたのです。
そうして、アサリは夫婦とも言える一緒に暮らす
アサリに相談をしました。
「僕は、他のアサリの健康のために、何かできることをしたいんだ」
「だから、少し生活が変わるかもしれないけど、今の仕事を辞めようと思う」
アサリは、そんなことを言ったので、
もしかしたら、怒られたり、愛想をつかされる
かもしれないと、少し覚悟をしていました。
しかし、相手のアサリは、こう言ったのです。
「あなたのことを信じているから、やりたいことをやって生きて」
「生活のことは、私も協力するからね」
「でも、私も一緒に暮らす家族だってことは、忘れないでね」
なんだか、アサリは、そう言われて
うれしくなりました。
「あー、僕は大切な人に愛されていたんだ」
それから、アサリは海水を浄化する
仕事を辞めました。
そうして、そのときに、自分の身体を使って
海水を浄化をする動きからヒントを得たのです。
あの、貝殻から触手のようなものを
出す、あの動きでした。
「そうか、その動きを取り入れよう」
そう、アサリは、その動きを取り入れて、
他の身体や心が疲れたアサリや、
お年寄りのアサリに向けて、
フィットネスクラブを設立したのです。
浜辺にたくさんのアサリを集めて、
フィットネスを行いました。
アサリは、もちろんインストラクターです。
その動きは、海水を浄化する時に
嫌というほど身に付けた方法でした。
そうしているうちに、
「あなたのおかげで身体が楽になったわよ」
「心も元気になった気がする」
「外に出るのが楽しくなったよ」
「なんだかやることができて幸せ」
などなど、アサリが聞いてうれしい
言葉をもらえるようになったのです。
アサリは、もちろん、一緒に暮らす
アサリもとてもそのことを喜びました。
アサリは、自分にも感謝しましたが、
あのとき、仕事を辞めると言った自分を
信じて応援してくれた、一緒に暮らす
アサリに、心から感謝をしました。
「ありがとう」
アサリの家族は、今までよりももっと
もっと幸せを感じながら生きるようになったのです。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。