皆さま

 

何かが変わっていくとき、というのは、

多かれ少なかれ、何かが壊れています。

 

壊れているときって、やっぱり怖かったり

不安を感じるものだと思います。

 

でも、壊れたからこそ、新しい自分たちが

望むものが創られるのかなと思うのです。

 

そんなことを長年生きている巨木の先輩が

教えてくれました。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「何かが壊れて、何かが創られると知る物語」

~一本の巨木が生きた~

 

数えきれないほどの年月を

生きてきた一本の巨木が、

海の近くに生えていました。

 

巨木は、ここに生き続けて、

多くの変化を見てきたのです。

 

海を一望することもできるので、

多くの海水魚や水草などを

見ることができました。

 

巨木、海岸、海、海水魚や水草、

それらを一度に目にすると、海の写真を

撮りたくなるほどの不思議な光景を

魅せてくれます。

 

巨木は、他の生き物たちの日々の

営みを見ることを楽しみにしていたのです。

 

海水魚が産卵を行い、水草たちが

海にユラユラとゆられていました。

 

そんなことを巨木は、ずっと

見続けてきたのです。

 

多くの年月をそうして生きてきました。

 

それでも、巨木にとって、どうにも

ならない大きな変化がやってきます。

 

それは、環境の変化でした。

 

巨木は海の近くに住み、それに合うように

なっています。

 

そう、それが、ゆっくりと時間をかけてでは

ありましたが、海の近くから、少しずつ

距離が離れていったのです。

 

環境の変化、地盤の変化とでも言うのでしょうか。

 

少しずつ地面が隆起していき、

巨木がいた場所は、見る見るうちに

山の斜面になってゆきました。

 

海の近くで多くの年月を生きた巨木に

とって、山という環境での生活は

初めてのことです。

 

そう、どうしたって、これ以上同じように

生き続けることができませんでした。

 

巨木は、多くの他の生き物たちにも

愛されてきましたが、環境の大きな

変化には勝ることはできません。

 

巨木は時間をかけて、ゆっくりと

その生命を終えてゆきました。

 

そしてもっと多くの時間をかけて、

その姿は朽ちていくのです。

 

何かが壊れていく瞬間を

ずっと観ているかのようでした。

 

その後は、とても迅速に

その場所、環境に合った、植物の種を

鳥が運んできます。

 

新しい芽が出て、成長をしていきました。

 

山の斜面には、巨木の代わりに多くの

若々しい木々が生えていったのです。

 

巨木のどっしりとした存在感も素敵でしたが、

その若い木々たちのキラキラとした

みずみずしさは観る者の心に潤いを

与えました。

 

壊れて、その時は、やっぱり悲しさを

感じますが、その後、必ず新しいものが

生まれ創られていきます。

 

巨木ももちろん、後悔などありませんでした。

むしろ、自分の後に芽を出した若々しい木々たちに

エールを送るのです。

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。