皆さま
生きておりますと、どうしても
型にはまろうとすることがあります。
やっぱり、小さい頃からの環境など、
いろいろな要因があるのだろうと思います。
でも、もう個性を大切にして生きるときが
きているのではないかと感じておるのです。
いろいろな個性があっていいじゃないですか。
そんなことをリスが身体を張って
教えてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「誰がなんと言おうと自分の個性を大切にする物語」
~リスが我慢をやめてみた~
山奥にある森林地帯にリスが
社会を形成していました。
その中に、家族を持つお父さんの
リスがいます。
リスは、朝も早くから木の上を
疾走して通勤をしていました。
リスが勤めていたのは、どんぐりや
クルミといった木の実を加工する
工場です。
来る日も来る日もリスは、工場で
ベルトコンベアのようなもので流れてくる
木の実の皮を自慢の前歯で剥いて
いきました。
それが、どこへ出荷されているのか
リスは詳しく知りませんでしたが、
それがリスにとっての仕事だったのです。
そうして、リスはその対価として
工場から生活に必要なものを
もらっていました。
そのおかげで、たしかに家族たちは
食べるもの、住むところ、そういったものに
困ることなく暮らすことができています。
リスは、そんな生活を長らく
続けていました。
そうして、同時にリスもそのことが
自分の使命であり、やることなのだと
信じて疑いません。
だから、毎日のように工場に出勤して、
朝から晩まで木の実の皮を剥き続けるのです。
でも、いつからかどうしても
木の実の皮を剥いても、どうしても
ムラが出てしまい、やり直すことが
増えてきました。
要するに、仕事上でミスが増えて
きたのです。
それと、同時に通勤は木の上を
疾走してきますが、どうもいつもの
スピードが出なくなっていました。
「年齢のせいかな?」
リスは、そんな風に思いましたが、
どうも理由はそれだけではなさそうだったのです。
リスにとっては、工場での勤務はどうしても
自分の個性を抑えるお仕事になってしまって
いました。
本当のリスは、自分の想いを表現、自己表現、
そんなことを常にしていきたい個性を持っていたのです。
リスはそれでも、愛する家族のためと
思いながら、工場での勤務を続けました。
でも、本当は、リスにとって、やりたいことが
あったのです。
それは、木の実を前歯で剥きながらも
考えてしまっていました。
だからこそ、出来上がりにムラが
出てしまったのかもしれません。
リスは、本当は、たくさんのリスを
幸せに導きたかったのです。
もちろん、工場での勤務が嫌いなわけでも
ないですし、それはそれで必要なお仕事とも
理解はしています。
でも、リスは、たくさんのリスを幸せに
導きたい、そう思って仕方がなかったのです。
そのリスがやりたいことを叶えるために、
思い付いていたのが、映画を作ることでした。
たくさんのリスを登場させて、
出るリスも観るリスも幸せに導くことが
できる作品を作りたかったのです。
映画として上映できれば、より
多くのリスにそのことが届けられると
考えました。
それでもリスは、葛藤しました。
やっぱりリスがこうして生きて、
働けているのは、愛する家族がいたからです。
「僕が工場を辞めたら、家族は路頭に迷うのではないか」
「飢え死にしてしまうのではないか」
「家族が出ていってしまうのではないか」
リスにとって、愛する家族を失うことは
大きな哀しみを伴うことでした。
だからこそ、リスは恐怖心を感じながら
葛藤するのことになるのです。
お散歩をしているとき、通勤途中の疾走、
家族で山登りをしているその道中、
いろいろなときに考え尽くしました。
でも、リスの想いは留まることは
ありませんでした。
工場で働いていても、どうしても
映画を作ることを考えてしまいます。
他のリスがミスをして上司に怒られていても、
こんな設定にしたら、笑いに包まれるのではないか?
と、そんなことを本気で考えたりしていました。
きっと、そうしたらもっと素敵な
リスの世界を創ることができるんだ。
そう思ったときに、リスの心は決まりました。
「よし、幸せに導く映画を作るために、工場を辞めよう」
もちろん、家族には辞める前に
相談をしました。
リスの奥さんは、止めるかと思いましたが、
「あなたの好きなことをやって、それでこそあなたよ」
そう言われて、リスは、本当に感謝をしました。
そうして、もちろん愛する子どもたちにも
リスは、「お父さん工場を辞めて、映画を作るよ」と
伝えたのです。
子どもたちは、キラキラと目を
輝かせながら、
「お父さんと一緒にいられるなら、どんな仕事をしていてもいいよ」
「私たちは、お父さんと一緒にいられたら、それだけでいい」
リスは、そんな純粋な子どもたちの
想いに触れて、目の前が涙でいっぱいに
なりました。
それと、同時に、絶対にやり切るんだと
改めて決意したのです。
リスは、工場を辞めました。
それからの生活が保障されているわけでは
ありませんが、「自分の個性を大切にする」
「自分の個性を活かす」そういったことを
選ぶことにしたのです。
「多くのリスを幸せに導く映画を作る」
そう言って、長年お世話になった
愛すべき工場を後にしました。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。