皆さま
生きていれば不安に感じることも
出てくるかと思います。
不安は悪いことでもありません。
でも、いつも不安を感じていると
ちとしんどかったりします。
そんなときは、少し発想を変えてみると
よかったりするのですね。
山登り、登山、そんなときに
見かける石たちが教えてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「今の不安は安心を知るために必要だと知る物語」
~山頂の石たち~
山の上にたくさんの石たちが
住んでいました。
石たちは、山の山頂で普通に
暮らし、生きていました。
でも、ある日からその生活は
一変したのです。
どうやら石たちが住む山に
何かが起きているようだったのです。
それが、噴火なのか山火事なのか、
土砂崩れなのか、何かはよくわかりません。
石たちにしても、その得体の知れない
何かが怖くて仕方ありませんでした。
石たちは、山頂で、一斉に不安に
なっています。
それは、石たちも経験をしたことが
なかったからです。
大きな音が聞こえたり、山が崩れているかの
ような大きな音がしたりもします。
動物の叫び声のようなものも
聞こえてきます。
でも、石たちには何が起きているか
よくわかりませんでした。
石たちは一斉に不安な気持ちになっているので、
そこらで起きること、石たちが感じることは、
やっぱり不安な現実でした。
石たちは気が付いていませんでしたが、
不安を感じるからには、実は、その裏側にある
安心を感じることができるということでもあります。
でも、不安でい続ける限り、やっぱり
不安でいるしかありません。
しばらくの期間、山の上で石たちは
不安を感じ続けながら、生きていきました。
そんなある日の朝、大きな音がしました。
石たちが住む隣の山からです。
石たちは慌てます。
さらに不安になります。
すると、隣の山から石がひとつだけ
石たちの住む山の頂上に落ちてきました。
新しくやってきた石は、石たちがとても
不安になっていることを不思議に思います。
「どうして、そんなに不安そうなの?」
「不安だ」
「不安だ」
石たちは、もう理由もあるのかないのか
不安だ不安だと繰り返します。
隣の山からやってきた石は、
石たちに根気強く話し続けました。
「不安だって、みんなで一緒になって意識していると、本当にどんどん不安になっていくんだよ」
「まるで、予定していたかのように、みんなが不安になることが本当に起きたりしてね」
「だからね、不安の先には必ず安心がある」
「それを意識してみることが大切なんだよ」
「不安の裏側は安心」
「不安があるから安心もある」
「安心もあるから不安もある」
「どちらを選ぶと自分たちは生きやすいかなって考えるんだ」
「安心を知るために、みんなは今不安を感じているんだよ」
最初はなかなか聞く耳を持たなかった
石たちでしたが、不思議と新しくやってきた
石の話しを徐々に聞くようになっていきました。
すると、不思議ですが、石たちの意識、集合意識に
変化が現れ始めます。
不安一色だったのが、徐々に安心を
感じ始めていたのです。
そこからは多少の時間はかかりましたが、
ゆっくりと時を経て、不安をひっくり返して
安心を知るようになっていきました。
そうなると、山で得体の知れない何かが
起きていると思っていたことが、実際は
ただの自然に起きていたことに過ぎないと
石たちは感じるようになるのです。
動物たちの叫び声も、そんな時期も
あるんだと、そういった解釈になっていきました。
石たちは気が付きました。
「山になにか変化があったから不安なのではない」
「自分たちの心やあり方が、不安かどうかを決めていた」
それから、石たちは無闇やたらに
不安になることをやめていきました。
もちろん、生きていれば不安になることも
あります。
でも、それはそれです。
必要な感情やお知らせだと
捉えるようになるのです。
石たちは、不安な時期を経て
安心の世界に移行しました。
そこには、隣の山からやってきた
石が伝えてくれたことが、大きな
きっかけになったのです。
逆に言えば、それくらい紙一重
だったりします。
外で起きていることに目を向けて、
意識を集中させていれば、たしかに
不安になりやすいかもしれません。
でも、みんなが不安になれば、やっぱり
不安な現実を感じやすくなります。
だから、こうして不安を経て
安心を意識できるようになって
よかったと感じているようでした。
石たちはそんな風に、身を持って
体験したようです。
石たちは隣の山からやってきた
石に感謝をしました。
「教えてくれてありがとう」
「僕たちは安心を意識して暮らしていくね」
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。