皆さま

 

嫌なことはやるのをやめようって、

良く言われますし、たしかにやめた方が

いいこともあります。

 

でも、もし場合によっては、それを

逆手にとって楽しむという上級テクニックを

使うとさらなる幸せが待っているときもあるのです。

 

あ、無理に嫌なことや苦手なことを

やり続けましょうという話ではないですよ。

 

そんなことをタコが教えてくれました。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「一見苦手なことを楽しむことで、幸せを感じる物語」

~掃除が苦手なタコが工夫する~

 

海の中に、海水魚たちが

泳ぎ回っていました。

 

その中に、蛸壺のようなものの中に

ニュルっと住んでいるタコがいます。

 

タコは、どうしても掃除が苦手

でした。

 

自分が住んでいる蛸壺も掃除を

したことがありません。

 

だから、汚れてきていますが、

タコは、「掃除が苦手だから仕方がない」と

言って、特に掃除をしませんでした。

 

蛸壺の中は、どんどんとゴミで

膨れ上がり、いよいよタコ自身の

居場所もなくなってきています。

 

でも、タコは、どうにか掃除をしないで

済まそうとしているのです。

 

「だって、掃除が苦手だから」

 

そうして、無理をして汚れた

蛸壺にタコは、しばらく住み続けます。

 

そんなある日のことでした。

 

蛸壺の前にいたずら好きのイカが

やってきて、蛸壺の中に大量の墨を

吐いたのです。

 

蛸壺の中はゴミでぎゅうぎゅうで、

タコもその中で眠っていたので、

さあ大変です。

 

イカの墨は蛸壺の中はもちろん、

タコ自身をも真っ黒に染め上げました。

 

タコは、驚いて急いで蛸壺の外へ

出ようとしましたが、ゴミが邪魔して

なかなか外へ出られません。

 

墨を吐いたイカを追いかけようと

しましたが、外へ出たときには

イカは遠くに泳いでいってしまいました。

 

「ちくしょー」

 

タコは悔しがりました。

 

でも、どうにもなりません。

 

タコは、どうやって掃除をしようかと

考えて、自分ではやりたくなかったので

いつか世話をしてやった小魚たちにお願いしに

いきます。

 

でも、小魚たちはそんな汚れ切った蛸壺を見て、

一目散に逃げてゆきました。

 

タコは、いよいよ自分で掃除するしか

なくなりました。

 

いやいや掃除をしているため、蛸壺は

一向に綺麗になりません。

 

綺麗にならないどころか、もっと

汚れていっているような気さえします。

 

そこへ、先ほど蛸壺に墨を吐いた

イカが何食わぬ顔でやってきました。

 

タコは、まさかこのイカが墨を吐いたなんて

夢にも思いません。

 

イカは、タコに伝えました。

 

「タコさん、そんな嫌々掃除をしたって、楽しくないし、綺麗になんてならないよ」

タコは不機嫌そうに、イカに

言い返します。

 

「イカさん、じゃあ、どうしたらいいっていうんだい?」

 

「苦手な掃除を楽しんでやれるように工夫してみるのさ」

 

イカが言っている方法は、幸せに生きるための

上級テクニックでした。

 

「嫌なことはやらないって、誰かが教えてくれたぜ」

タコは、そんな風に、良く聞く言葉を

イカに返します。

 

「これは、上級テクニックだよ」

「これができるようになると、タコさん、さらに幸せに生きられるよ」

 

単純な性格が後押ししたのか、

タコは、なんだかやる気になっていました。

 

タコは、苦手な掃除を自分なりに楽しむことに

したのです。

 

「自分は、何が好きだったかなあ?」

 

タコは、自分の好きなことと

苦手なことを掛け合わせることに

してみました。

 

そう、タコには好きなことがあったのです。

 

それは、他の海水魚を楽しませること

でした。

 

特にタコ踊りが大得意だったのです。

 

「よし、これだ!」

 

タコは、早速、蛸壺の前で

タコ踊りをし始めます。

 

なんと器用に、踊りながら、長い

八本の足を駆使して、蛸壺を

掃除しているのです。

 

その動きはタコならではで、とても

滑らかでした。

 

すると、そのタコ踊りと掃除を見に、

たくさんの海水魚が集まってきます。

 

次第に、タコは、気分が良くなって

きました。

 

タコが大技を決めて、蛸壺をさらに

綺麗にすると、周囲からは大きな

歓声と拍手が沸き起こったのです。

 

「気持ちがいい」

 

タコは、見事に苦手なことを楽しむという

上級テクニックをやり切って見せたのです。

 

さらには、蛸壺は、とても綺麗になりました。

 

タコの心も何だか、とてもスッキリして

綺麗になったのです。

 

もちろん、その様子を墨を吐いた張本人である

イカも喜んでいるように見えます。

 

「墨を吐いたやつ、いつかお好み焼き屋さんの材料として出荷してやる」

そんな風に、タコは、最初は蛸壺に墨を吐かれたことに

怒りを感じていましたが、今や感謝しています。

 

「蛸壺に住めなくなるよう、墨を吐いてくれた同業者の方、ありがとう」

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。