皆さま

 

自分にないものを数えても

あるものを数えても、たしかに

どちらもたくさん出てくるかと思います。

 

どちらをたくさん数えた方が、

生きるのが楽しくなるのでしょうか?

 

そんなことを亀が身を持って教えて

くれました。

 

亀って、両生類と爬虫類どちらでしたっけ。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「ないものではなく、あるものに意識を向ける物語」

~大家族の亀の変化~

 

とあるお池に大家族で暮らす

亀がいました。

 

亀は、たくさんで過ごしています。

その中の一匹の亀は、そのことが

嫌で嫌で仕方がありませんでした。

 

自分の部屋のようなものは、もちろん

ありませんし、いつも兄弟姉妹の

お世話をしなくてはいけないのです。

 

巣の中にいても、どこを見回しても

家族の亀がいました。

 

一匹になって、静かな時間を

過ごすことなど到底できないと

感じていたのです。

 

「僕には一匹で静かに過ごす時間なんてないんだ」

「この家族がいる限り、ゆっくりと過ごすことなどできないんだ」

「静かに暮らしてみたいよ」

「ひとりっ子の家に生まれればよかったな」

 

亀はそんな風に、自分の家族や

環境にはないものばかりを探してきて、

毎日を過ごしていました。

 

だからなのか、起きる現実といえば、

家族がにぎやかで眠れなかったり、

ご飯の量が、今日は少ないなあと感じたり、

「家族が多くて困る」ことばかりが

起きるのです。

 

だから、亀は、なんだか毎日を

つまらなく過ごしてしまっていました。

 

そうして、なんだか鬱憤のようなものが

溜まってしまったのか、亀は、兄弟姉妹の

お世話をほっぽり出して、池を一匹で

泳ぎにいったのです。

 

亀も久しぶりの一匹での行動に、

少しばかりホッとしているところが

ありました。

 

しばらく泳いでいると、前の方から

一心不乱に泳いでくる魚がいます。

 

どうやら魚はフナのようです。

フナは、前方の亀の存在に気が付いて

いないようで、亀とフナは正面衝突

してしまったのです。

 

「イタタタ」

 

亀とフナは頭同士をぶつけてしまいました。

 

運よく大した怪我もなかったようです。

 

そうして、「大丈夫?」というお互いの

言葉から会話が始まりました。

 

聞けばフナは小さい頃に家族を失って、

ずっと一匹でこの池で暮らしていたのです。

 

亀は、大家族です。

 

亀は、大家族であることを煩わしいと

思っていましたし、フナにもそんな風に

伝えていました。

 

フナは、少し痛んだ頭を休めるように

深呼吸して、話しを続けます。

 

「亀さん、たしかに大家族だと静かに過ごすことができなかったりするよね」

「僕は、家族を失って一匹で暮らしているから、よーくわかるけど、ずっと一匹でいるって寂しかったりするよ」

「だからね、亀さん、自分にないものばかりを見るのではなく、あるものに目を向けてみるといいと思うよ」

 

「自分にあるもの」

 

「そう、亀さんにたくさんの家族がある」

「たくさんの会話がある」

「にぎやかな楽しい日々がある」

「みんなでご飯を食べられる幸せがある」

 

亀は、フナにいろいろとあるものを

挙げられて、驚いていました。

 

「そうか、僕はないものばかりに目を向けていたから、毎日つまらなかったのか」

 

「家族を失った僕にしたら、亀さんの生活は羨ましくもあるよ」

 

亀は、なんだか自分を反省しました。

それで、そんなフナを大切な家族に紹介

してあげることにしたのです。

 

亀の大家族は一匹で暮らすフナを

歓迎しました。

 

フナも本当に久しぶりに、多くの仲間と

ご飯を食べることができたのです。

 

亀は、喜ぶフナの姿を見て、たくさんの

自分の家族を見て、自分にはこんなに

いろいろなものがあったのだと、思いました。

 

「これからは、自分にあるものを見てみよう」

 

亀は、ここから大きく生き方を変えて

いったのです。

 

それは、フナが教えてくれたからでした。

 

あるものに意識を向け始めたら、

ないと思っていた一匹の時間や

静けさも、自然と自分で創り出す

こともできたのです。

 

亀は、とても生き方が充実している

ように感じるようになりました。

 

亀は、フナや自分の大切な家族たちなど、

自分にある、たくさんのあるものに感謝します。

 

「ありがとう」

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。