皆さま
皆さまにとって自分の幸せって
なんでしょう?
答えられる人も答えられない人も
いるかもしれません。
瓶ビールが、教えてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
-----------------------------------------------------------------------------
「自分の幸せってなんだったか知る物語」
~瓶ビールで乾杯~
冷蔵庫で冷えている瓶ビールが
ありました。
瓶ビールは、冷蔵庫で冷え続けて
います。
瓶ビールは、冷え続けることで
人々を喜ばせることができることを
知っていました。
だからこそ瓶ビールは冷え続けるのです。
夕方くらいでしょうか、冷蔵庫のドアが
開き、瓶ビールが取り出されます。
料理がたくさん並んだテーブルに、
瓶ビールは置かれました。
そうして、栓抜きで瓶ビールの
フタが開けられます。
「プシュ!」
いつもの安定的な音が瓶ビールから
発せられます。
この瞬間が、瓶ビールが生きていて
最高に幸せな瞬間でした。
「プシュ!」という音とともに、
今まで力の入っていた瓶ビールも
見事に力が抜けていくのです。
その瞬間に、瓶ビールの世界と
外の世界が繋がりをもつようでした。
料理がたくさん並ぶテーブルの上で
開けられた瓶ビールは、
たくさんの家族に囲まれています。
その雰囲気を存分に味わいます。
ビールを楽しみに仕事を終えて
帰ってきたお父さんのコップに
注がれます。
そんな楽し気な雰囲気を味わう
こともできました。
他にも瓶ビールは、その「プシュ!」と
音を立てて、様々な雰囲気を味わうことを
自分の幸せとしていたのです。
時には、哀しみに満ちている人が
瓶ビールを開けることもあります。
瓶ビールもフタが開いた瞬間、
その雰囲気を感じ取ります。
そのことだって、本当は、楽しんで
飲んで欲しいと思う反面、そんな
雰囲気も瓶ビールならではの
体験として、味わい切ります。
「プシュ!」と音を立てて、外の
世界とつながる、その時に味わう
雰囲気は、同じものはひとつも
ないのです。
それをひとつひとつ味わってゆくこと、
それこそが瓶ビールの幸せでした。
楽しい雰囲気、哀しみ溢れた雰囲気、
怒りに震える雰囲気、緊張でガチガチの雰囲気、
一世一代の何かをやり切ったような達成感、
そんな自分だけでは決して味わうことのできない
雰囲気を感じます。
今日も瓶ビールは、どんな雰囲気を
味わうことができるか楽しみにしながら
新たな冷蔵庫で冷えてその時を待つのです。
【終わり】
-------------------------------------------------------------------
執筆依頼なども承っております。
-------------------------------------------------------------------
この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。