皆さま

 

辛い時でも、なかなか他人を

頼るって勇気がいるものですね。

 

でも、頼るために他人が存在している

という一面もあると思うのです。

 

窮地に追い込まれたあんこが、

その打開策を教えてくれました。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「辛い時こそ気楽に人を頼ってみる物語」

~捨てられるあんこの行く末~

 

とても昔から続く和菓子屋さんが

ありました。

 

とても長く続いていましたが、

どうしてもこれからの経営が

難しくなってしまったのです。

 

和菓子屋のご主人は何度も

考えましたが、とうとうお店を

畳むことに決めました。

 

その様子を饅頭やおだんご、はたまた

最中にも使われるあんこが、うかがって

いたのです。

 

あんこは内心ビクビクしていました。

 

「この和菓子屋がなくなってしまう!」

「もう、きっとそうなったらあんこである私は用無しだ!」

「捨てられてしまうんだ!」

「もうあんこが使われることはなくなる!」

「何を楽しみに生きていけばいいんだ!」

 

あんこは、そうして自分で自分を

追い込んでしまっていくのです。

 

そうして、いよいよ和菓子屋が閉店する

時が迫ってきていました。

 

あんこは、この和菓子屋が閉店して、

再び新しい和菓子屋が開業することを

密かに願っていたのです。

 

でも、それは、残念ながら叶いませんでした。

 

次のお店はパン屋さんだったのです。

 

あんこは絶望の淵にいました。

 

「パン屋さんじゃ、あんこは使われない」

「このまま捨てられる運命なのだ」

「私に価値なんてないの」

 

あんこは、そんな風に感じています。

 

そうして、それを見かねた新しい

パン屋さんで使われる予定の

バターがあんこに話しかけました。

 

「そんなに思い詰めずに、あんこさんはやれることはやったでしょう?」

「もっと肩の力を抜いて、誰かに頼ってみてもいいんじゃない?」

 

あんこは驚きました。

 

それは、あんこは

「困りごとは自分でなんとかするもの!」と

強く信じていたからです。

 

「え、頼ってもいいの?」

バターは当然のように言いました。

「もちろんじゃないか」

「え、本当に?」

「そのためにあんこさんの周囲にも色々な存在がいるんだよ」

「そうだったのか」

 

あんこは、この時点では半信半疑でしたが、

他の存在を頼ってみようかと思ったのです。

 

あんこは、そう助言してくれたバターに

今の辛い状況を話したり、これからどうやって

生きていけばいいのか相談してみたりしました。

 

あんこは、他の存在を頼ったのは、

生まれて初めてです。

 

そのことをバターは祝福してくれました。

 

バターは、一通り話しを聞いて、

あんこに寄り添います。

 

あんこは、いろいろと話しをして

整理され、想いがこみ上げ、涙が

止まらない様子でした。

 

そうして、バターは最後に言ってくれたのです。

 

「あんこさん、パン屋さんで僕と一緒に仕事をしよう!」

 

あんこは、またも驚きました。

 

それは、パン屋さんではあんこ自身、

自分の居場所なんてないと決めつけていたからです。

 

でも、バターは本気でした。

あんこも決めたのです。

 

「誰かを頼ってでも幸せになってやる!」

 

そうして、いよいよ新しいパン屋さんの

開店の日がやってきました。

 

パン屋さんのご主人は、なぜだか

あんことバターを最初に目にしました。

 

それは、あんことバターが光っていて、

他の材料が目に入らなかったとも言えます。

 

そうして、パン屋さんのご主人は、閃きました。

 

「あんことバターをパンに挟んでみよう!」

 

新たなパンレシピとなる

「あんこバターパン」の完成でした。

 

新たな試みでしたが、その味は評判を

うんだのです。

 

あんこは、バターとパンと一緒になり、

美味しく食べられるようになりました。

 

あんこは、和菓子屋さんがなくなるとき、

自分が自暴自棄になっていることを思い出します。

 

でも、あのとき諦めずに、生まれて初めて

「人を頼ること」をやってみて、本当に

良かったと思いました。

 

そうして、あんこは、人に頼ることを

教えてくれたバターに心から感謝したのです。

 

「バターさん、ありがとう」

 

今日もあんこバターパンは、勢いよく

売れていきました。

 

*実際のあんこバターパンの誕生エピソードではありませんよ~*

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。