皆さま
せっかく、自分の望みが出てきたのに、
なかなか叶わないなあと思うこと、
あるかと思います。
そんなときは、どうしたらいいのか?
一本の缶コーヒーが教えてくれました。
書いているうちにカフェ巡りでも
したくなってきます。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「行動すると望みが叶い始める物語」
~一本の缶コーヒー~
さて、一週間が始まりました。
今日は月曜日なのです。
サラリーマンらしき男性が、
冷蔵庫からたくさんの飲み物の
中から、一本を取って出かけて
いきます。
飲み物は麦茶や緑茶などのお茶、
そして一本だけ缶コーヒーが
ありました。
月曜日は麦茶、その次の日は緑茶、
とサラリーマンはそれを持って会社へ
出かけてゆくのです。
一本だけある缶コーヒーは、不安に
思っていました。
次々と自分の回りにいる
麦茶や緑茶は、順調に
サラリーマンに持って行ってもらい、
飲んでもらっています。
持って行ってもらうことで、外の世界を
知ることもでき、さらには、飲んでもらい
喉を潤すこともできるのです。
自分だけなかなか選んでもらえない
缶コーヒーは、不安と焦りが募る
ばかりでした。
「きっと、僕、缶コーヒーがあることを忘れているのでは」
「このまま持っていかれず、缶ごと腐ってしまうのでは」
「どうせ、お茶の方が美味しいんだろう」
「僕、缶コーヒーのことなんて飲みたくもなかったのだろう」
缶コーヒーは、思わずネガティブな
ことを考えてしまっていたのです。
それを察したかのように、同じ冷蔵庫に入る
ほうじ茶に缶コーヒーは指摘されました。
「缶コーヒーくん、君は飲まれるために行動をしているの?」
「え? 行動? 待っているしかないでしょう?」
「ダメよ、飲まれたいなら、望みを叶えたいなら行動をしないと」
「行動?」
「私たちほうじ茶は、早く飲んでもらうために、冷蔵庫の中をゴロゴロと転がって前に出ているのよ」
「そ、そんなことを?」
「冷蔵庫を開いた瞬間に、自分の香りをサラリーマンに届くようにしてみたり」
「す、すごい」
と、言っているそばから朝だったようで、
ほうじ茶は、サラリーマンに掴まれ、
めでたく連れて行かれることになりました。
缶コーヒーは、目からウロコと
言った感じで、「僕にはどんな行動ができるだろう?」と
考えています。
そうして、いよいよ一週間の最後の日、
日曜日がやってきました。
缶コーヒーは、どんな行動をしようか
一生懸命考えていたのです。
今日もやっぱり、冷蔵庫が開きました。
缶コーヒーは、考え抜いて出てきた
ことを行動してみました。
サラリーマンに向かって、
「ドライブのお供には僕が最高だよ」と
思い切り話しかけたのです。
それが、届いたのかどうかはわかりませんが、
サラリーマンは、いつものスーツ姿ではなく、
ラフな格好でした。
「お、たまにはコーヒーでも飲みたいな」
そう言って、缶コーヒーに手を伸ばしたのです。
サラリーマンは、今日はお休みでちょうど
ドライブに出かけるところでした。
缶コーヒーを連れて行くのにはぴったりの
シチュエーションだったのです。
そう、缶コーヒーは、このサラリーマンが
決まった日にドライブだの車だののお話しを
しているのを聞いていました。
そのことが、記憶に残っていたので、
缶コーヒーは、「ドライブには缶コーヒー!」だ、
これだ!と思ったのです。
それで、実際に、その思いついたことを
行動に移しました。
結果、ずっと売れ残っていると思っていた
缶コーヒーでしたが、見事に連れて行って
飲まれることになったのです。
しかも、車に乗って、景色が移り変わる
最高のシチュエーションでした。
そこで、飲まれる缶コーヒー、サラリーマンは
「うまい!」そう呟いています。
缶コーヒーは、思いがけない流れで
自分の望みを叶えることができました。
それは、ほうじ茶にアドバイスをされて、
それを行動に移したことにあります。
缶コーヒーは、信号待ちの車の中で
サラリーマンに飲み干されながら、
ほうじ茶に感謝をしました。
「ほうじ茶さん、ありがとう」
「僕は、無事に最高のシチュエーションで美味しく飲まれることができました」
「そして、あのとき、行動をした自分に感謝を捧げます」
「ありがとう」
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。