皆さま
自分のことを過小評価する風潮が
今まではなんとなくあったなあと
思います。
でも、これからは、そうではなく
大切な役割があることに気づいて、
生きていく方が、人生が充実する気が
しています。
そんなことをお好み焼きに入った
ちくわが教えてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「誰だって生きる役割を持っている物語」
~お好み焼きのちくわ~
とあるお宅でよく食べられている
お好み焼きがありました。
お好み焼きは、具材の時代に、
グルグルと混ぜられていきます。
小麦粉や卵、水、キャベツ、豚肉、
紅しょうがも入っています。
その中で、グルグルと混ぜられていると、
なにか違和感を感じているようです。
お好み焼きの具材にちくわが
入っていました。
皆は、ちくわが入っていることに
納得がいっていないようです。
「ちくわさんよ、なんでお好み焼きに入ってきたんだよ」
「君は、お好み焼きではなく、おでん専門だろう?」
ちくわは、グルグルと混ぜられる中、
とても肩身の狭い思いをしています。
心の中で、ちくわは想いを巡らせます。
「なんで、僕をお好み焼きの具材に入れたんだよ」
「きっと、食べて、入れなければよかったって言われるのがオチさ」
「最初から入れないでくれよ」
「何かの手違いだろう」
グルグルと混ぜられるのが終わっても、
ちくわは、お好み焼きの具材になることに
踏ん切りがつかないでいました。
でも、作り手はそんなこととはつゆ知らず、
お好み焼きの具材を鉄板の上に流し込みます。
「ジュ~」
お好み焼きが焼ける音もしてきました。
ちくわは、自分の将来を悲観しています。
「あー、とうとうお好み焼きになっちまう」
他の具材もある意味冷めた対応で、
「どうせ、今回だけだ」とか、
「きっと、二度と入れられることはない」
「もしかしたら、今回も手違いに違いない」
ちくわを憐れむ声もチラホラ聞こえてきました。
そうして、いよいよちくわの入った
お好み焼きが焼き上がり、食卓に
上がったのです。
とうとう、ちくわ入りお好み焼きが
ここの家族に食べられていきました。
すると、他の具材やちくわ自身の
予想に反して、「美味しい!」
「ちくわの食感がいいね!」
「ちくわのおかげでさらに美味しくなってるね!」
「なんかちくわのおかげでボリュームが増して、食べ応えがある!」
とても好印象な感想が聞こえてきたのです。
驚いたのは、他の具材よりもちくわ
自身でした。
「え、僕のおかげでお好み焼きが美味しくなった・・・」
ちくわは、時が止まっているかのように、
ボーっとそのことに浸っています。
そう、ちくわは初めて生きる役割が自分に
すでにあったことに気が付いたのです。
生命あるものには、必ず生きる役割を
担っている、そんな自然の摂理のようなことに
気が付くことができました。
「僕には生きる役割があった」
「生きる役割は誰にでもある」
ちくわ入りのお好み焼きは、
みるみるうちに食べられていき、
あっという間に食卓から家族の胃袋に
場所を移したのです。
「お母さん、これからもお好み焼きにちくわ入れたい」
小さな子どものあどけない声が、
ちくわの心をさらに癒すことになりました。
「みんな、ありがとう」
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。