皆さま
生きていれば闇だと思うような
体験もするかもしれません。
簡単に言うなという声も
聞こえてきそうですが、
できることなら、闇を見ながら生きるより
幸せや光を見ながら生きると、とても
楽しくなります。
個人的感想ですが・・・。
そんなことを真っ白なウサギが
教えてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「闇を知ったら、幸せも知ることができる物語」
~雪を走るウサギ~
雪山に住む真っ白なウサギが
ありました。
ウサギは、家族と暮らしていましたが、
家族を失うという辛い体験をしたのです。
それは、雪が降り積もった真っ白な世界で
起きたのです。
まだ、ウサギが小さな頃でした。
だから、大人になったウサギも
雪が降って、真っ白な世界が広がると
自分の中にただただ広い闇が広がる
思いをするのです。
「もう、僕は一生ひとりで生きるのさ」
誰とも関わることもなく生きることを
ウサギは、いつしか決めていたのです。
それはそれは、深い闇の体験でした。
そうして、ウサギが闇を深めて何度目かの
冬がやってきます。
やっぱり、それだけでもウサギには
深い闇が広がりを見せようとしました。
でも、この冬は、なかなか雪が降りません。
ウサギは不思議に思っていました。
だから、少しウサギは出かけてみたりして、
自分なりに冬を楽しむことができています。
すると、あっという間に、ウサギは仲間に
出逢いました。
この冬は、なぜだか雪が一度も降らなかったのです。
ウサギは、闇を深めることなく、
出逢ったウサギと家族を築くことに
なりました。
最初は、ウサギにとって家族を作ることは、
とても怖いことだったのです。
それは、家族を一瞬で失ったという
闇の経験をしていることがありました。
でも、冬に怖い思いで残る雪が降らなかったことで、
ウサギは家族を築くことができたのです。
まずは、家族が二匹になりました。
そうして、程なく三匹になったのです。
ウサギは、親になりました。
まだ、怖さはありましたが、
家族が作られていったのです。
そうして、次の冬がやってきました。
この冬は前年とは異なり、大雪が
降ったのです。
ウサギは、自分が家族を失った
雪降る日を思い出しました。
それと同時に、何かで埋めていた
深い闇が再び広がりを見せ始めます。
「怖い」
すると、何かを感じ取ったのか、
家族になってくれたウサギ、そして
自分の子どもになってくれたウサギ、
その二匹が、寄り添ってくれました。
「わーい、雪だ」
子どものウサギは、生まれて初めて見る
雪を見て、はしゃいでいます。
子どもは、素直で無邪気でした。
ただそれだけです。
真っ白な雪に、小さな足跡を
いくつもつけてゆきます。
「おーい、どこまで行く気だ」
家族になってくれたウサギが、
子どもを追いかけてゆきます。
そうして、当のウサギも怖かったのですが、
二匹の家族になってくれたウサギたちを
追いかけて雪山を駆けてゆきました。
ウサギにとって、雪山を駆けることは、
辛い思い出のとき以来です。
でも、今度は、新しい家族と一緒でした。
ウサギは二匹のウサギを追いかけながら、
「幸せだなあ」
シンプルにそうとだけ思いました。
「あー、家族を築くことができたんだ」
ウサギは、家族を失った経験をしたからこそか、
家族を築くことができた歓びを大きく感じることが
できたのかもしれません。
深い闇を経験したからこそ、
同じ分だけ光の経験をすることも
できたのです。
闇を見つけようと思えば、いくつも
見つけることもできます。
でも、光を見つける生き方に転換することだって
できるのですね。
ウサギは、久しぶりに雪山を
駆けながら、足跡をつけながら、
幸せを嚙みしめるのです。
三匹の真っ白なウサギが、真っ白な雪の
上で、光り輝いていました。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。