皆さま

 

幸せに生きようと生き始めると、

「嫌いな自分」と対峙するときが

やってきます。

 

幸せになるからには、嫌いな自分を

変えようとか、手放そうとかしてしまいます。

 

でも、実は逆効果だったりするのですね。

 

猫が、教えてくれました。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「嫌いな自分も受け入れると幸せになる物語」

~意地悪しちゃう猫の葛藤~

 

とあるお宅に飼われている猫が

いました。

 

猫は安全な家の中で暮らし、

餌をもらい、それこそ野良猫から

したら随分と豊かで幸せそうに

見える生活をしています。

 

猫は、自分でも真面目に生きてきたし

人からも好かれて生きてこられたと

自負していました。

 

でも、少々生真面目なところがあり、

いろいろなことが気になってしまったり

するのです。

 

猫は、どうしても苦手な人が

いました。

 

それが、このお宅に住む小さな子ども

です。

 

小さな子どもは、大きな声で泣くし、

その割にとてもかわいがられていました。

 

そのことが、猫にとっては、どうしても

気になってしまうのです。

 

「なんで、あの子どもは自分よりかわいがられるのだろう」

 

その疑問はどうしても猫に答えを

出すことはできませんでした。

 

その代わりに、その子どもがひとりで

いるときには、猫は意地悪をしてしまいます。

 

子どもが好奇心で猫に近づいてきたら、

それを偶然かのように、引っ搔いてしまったり

するのです。

 

子どもがひとりでおもちゃで遊んでいたら、

猫は猛スピードで走って、おもちゃにぶつかって

子どもが遊ぶのを邪魔したりしました。

 

そうすると、大抵の場合子どもは泣くので、

猫は内心、シメシメと思っているのです。

 

猫は、どうしても意地悪をしてしまいました。

 

実は猫は、そのことをとても気にしているのです。

 

意地悪した日の夜は、大抵、罪悪感や

自分を責めたりして、まともに眠れなかったりしました。

 

「あー、また意地悪をしてしまった」

「どうして、そんなことをしてしまったんだろう」

「意地悪をする自分がどうしても許せないよ」

「でも、やってしまうんだ」

「自分の馬鹿」

 

猫は明け方まで、そんなことを

考えながら、葛藤を続けるのです。

 

猫は、もう疲れてしまいました。

 

夜になって、猫は背伸びをして、

窓から空を見上げています。

 

そこには、夜空に丸く輝く月が

ありました。

 

猫は、月に心の中で話しかけて

いるようです。

 

「月さんは見事にまん丸だね」

「完璧な形だ」

 

猫は、返事を待つわけでもなく、

自分が意地悪してしまう理由について

考えていました。

 

月は、それについて、猫に返事を

送ったのです。

 

「よーく見てごらん、今日の僕は、少しだけ欠けているんだよ」

「満月のとき以外は、完璧なまん丸なんかじゃないのさ」

「完璧なまん丸なんて目指さなくっていいのさ」

 

月からの答えはこれだけでした。

 

でも、猫には、なんとなく伝わってきた

ようです。

 

「そうか」

 

猫は、ずっと意地悪をする自分を

なかったもの、追い出そうと必死に

がんばってきました。

 

でも、無くすことも追い出すことも

できなかったのです。

 

それどころか、意地悪な気持ちは

より一層強まるばかりでした。

 

「意地悪な自分も大切な自分の一部」

「無くすことも追い出すこともしなくていいんだ」

 

猫は、少しだけ欠けた月を見ながら、

とても大切なことに気が付いたようです。

 

猫の表情が、見る見るうちに変わって

いきました。

 

ずっと、気を張っているような猫でしたが、

そのことに気が付いた途端に、ゆっくりと

柔らかな猫の表情に変わっていったのです。

 

「嫌いな自分を受け入れる」

 

そんな風に猫がし始めると、不思議と

いつものあの子どもを見ても、なんだか

意地悪をしたいとも思わなくなりました。

 

それどころか、子どもも猫に近づいて

きたのです。

 

「あ、撫でられた」

 

「まあ、いっか」

 

猫は、このことを体感して、

とても生きるのが楽になったのです。

 

それ以上に、なんだか幸せな気持ちにも

なりました。

 

「嫌いな自分も大切な自分の一部」

 

猫は、今日も猫として、猫らしく

自分らしく生きているのでした。

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。