皆さま
辛い人生っていったいなんのために
存在しているのでしょう。
どうせだったら無ければいいのにと
私自身も思いながら長らく生きていました。
そのことを池のシラサギという鳥が
教えてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「なぜ辛い人生があるのかを知り、楽になる物語」
~片足のシラサギが魚を狙う~
片足で池に立ち、獲物である
魚をじっと狙うシラサギがいました。
シラサギは、小さな頃に、片足を
失うという辛い経験をしてきたのです。
しかし、現在のシラサギは、そんな
辛いことがあったという雰囲気を
漂わせることなく、生きています。
ただ、そこまで来るまでには、
それこそシラサギにとっても
辛い経験も多々ありました。
シラサギは、自分がどうしてこんな
辛い経験をする必要があったのか、
それを理解したからこそ、今では
他のシラサギ以上に幸せを感じながら
生きることができているのです。
片足を失ったばかりのころのシラサギは、
それこそ辛いと感じながら生きていました。
「なぜ、自分だけこんな目に合うのだろう?」
「片足ではなく、両足があればこんな思いはせずに済んだのに」
そんな風に、なかなか受け入れることだって
できなかったのです。
それこそ、他のシラサギからも
「あいつは、可哀そうなシラサギだ」
「あれじゃあ、餌を獲るのも大変だ」
「不自由な生き方をするしかないな」
と、言われ、そんなレッテルを貼られて
生きることになりました。
シラサギは多くの時間を、そういった
辛いと感じる生き方をしてきたのです。
それが、どうして今ではシラサギが
幸せを感じながら生きられているかと
言うと、その経験を自分のため、他の
シラサギのために活かすように
なったからでした。
シラサギは、そんな辛いと感じる
生き方をしているときに、多くの
経験や感じたことがあります。
それは、シラサギの仲間の死だったり、
呆気なく他の動物に食されるところを
間近で見た経験にあります。
それは、シラサギにとってとても
衝撃を残しました。
「自分は何もできなかった」
そんな無力感に苦しんだことも
あったのです。
それでは、自分はどんなことが
できるのだろう?
そうして、少しずつ意識の向きが
変わっていきました。
まずは、シラサギ自身、片足を失っていて
自分の「ないもの」に焦点が当たって
いたところから、「あるもの」に焦点を
当て始めていったのです。
たしかに、片足はないけど、
「こうして、生きてこられた」
「片足で立つことにも慣れて、餌を獲ることにも不自由はしていない」
「片足はないが、翼があるので、飛ぶときには問題ない」
「気が付けば、応援してくれる仲間もいる」
「餌が獲れない自分を心配して、助けてくれた仲間もいたな」
シラサギは、「片足がない」ということ
ばかりに焦点を当てていましたが、
こうして、自分に「あるもの」に
気が付いていったのです。
そのことをきっかけに、シラサギの
幸福度は上がっていきました。
では、なぜ「あるもの」に気が付けたのか、
シラサギは考えてみたことがあります。
なかなか答えは出ませんでしたが、
それは、やっぱり自分に「ないもの」が
あったからでした。
自分の片足がなかったからこそ、
様々なことに気が付けたことに、
シラサギは気が付いたのです。
「ちょっと待てよ・・・」
「ということは、生きていることって幸せそのもの・・・」
シラサギは、もちろん片足がなくて
辛い思いをしたことは確かでした。
でも、それがあったからこそ、どうして
生きているのか、どれだけ自分が幸せなのか
理解することができたのです。
それでも、今を生きているシラサギでしたが、
それはやっぱり、時には両足があったらなあと
思うこともあります。
それは、そうです。
両足を大きく動かして、移動している
他の動物を見ていたら、そう思うのも
自然です。
でも、その感情にシラサギが浸り
続けることはなくなりました。
「そうはいっても、そのおかげで幸せな生き方を知ったからな」
シラサギは、そう呟いて、
再び片足でしっかりと立って、
池の水面をジーっと見つめるのです。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。