皆さま

 

寒い日が続くと、おでんが

食べたくなりますね。

 

おでんと日本酒の組み合わせって

個人的には最高峰です。

 

そんなおでんが色々と

教えてくれました。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

-----------------------------------------------------------------------------

 

「闇を光に変える練習ができる物語」

~グツグツおでんの行く末~

 

とある家族に食べられている

おでんがいました。

 

おでんは食卓の真ん中にあり、

まるで主役化の様に家族みんなに

囲まれています。

 

グツグツと煮えたぎるおでんは、

見るからに美味しそうで熱そうでした。

 

おでんは、そんな家族たちに美味しく

食べられていくのです。

 

しかし、突然大きな声がします。

 

「熱い!」

 

どうやら子どもがおでんを食べて、

口の中を火傷してしまったのです。

 

子どもは痛みと驚きでワンワン

泣いてしまいました。

 

その後、食卓からはグツグツと

煮えたぎるおでんは片づけられて

しまうのです。

 

おでんは、そのことで自分が

熱々であることを悔いました。

 

大切な家族の口の中を火傷

させてしまったからです。

 

それからというものこの家族で

おでんが食べられることもなくなって

しまいました。

 

口の中を火傷をした子どもも

おでんを見るだけでも怖くなって

しまい、二度と口にしないと

心に誓っているのです。

 

おでんは、とても後悔しました。

 

「僕がもっとぬるい食べ物だったら」

「僕がもっとすぐに冷める食べ物だったら」

「僕がもっと子どもに食べられるときに注意していたら」

 

おでんが後悔することは、

無数に出てくるのです。

 

でも、おでん自身にどうにか

できることでもありませんでした。

 

「あー、大切な家族を火傷させてしまった」

 

おでんは事あるごとに、

そんなことを思い出し、

心を痛めるのです。

 

「そりゃあ、もう食卓に呼ばれることもなくなるよな」

 

おでんの人生は、そのことがきっかけとなって

随分と変わってしまったのです。

 

それから数年が経ちました。

 

その間、家族の食卓におでんが

並ぶことは一度もありませんでした。

 

しかし、この家族たちにも大きな

転機が訪れるのです。

 

とても寒い地方へみんなで

引っ越すことになりました。

 

冬はとても寒かったのです。

 

みんなで肌を寄せ合い、

冬を過ごしていました。

 

そんなある日、その家に近所の

昔から住む人に、夕飯を

お呼ばれすることになるのです。

 

その家は昔ながらの家で、

囲炉裏がありました。

 

囲炉裏には土鍋があり、

そこではなんとおでんが

グツグツと音を立てて、

煮込まれているのです。

 

寒い冬にはピッタリなのです。

 

家族たちに緊張が走りました。

 

随分前におでんで火傷をした

子どもも大きくなりましたが、

少し怖いという表情を浮かべています。

 

しかし、もうおでんをみんなで食す

流れは、誰にも止めることはできませんでした。

 

寒い思いをしていた、家族たちは

どこかでこの心も身体も暖まりそうな

おでんを食べたかったのかもしれません。

 

家族たちの大人は、熱々のおでんを

美味しそうに食べ始めました。

 

おでんと日本酒までいただいて

いるようです。

 

火傷をしたことのある子どもも

流されるようにおでんを皿に取り、

じっと見つめています。

 

少し、冷まして、勇気を出して

口に運ぶのです。

 

「美味しい」

「暖まる」

 

子どももそんな感想を

口にしました。

 

家族もホッとしました。

 

なんといっても一番ホッと

したのは、子どもに火傷を

負わせてしまったおでん自身です。

 

「あー、よかった」

 

そうして、家族たちもおでんの

魅力を再発見しているかのようでした。

 

「やっぱり寒い中、熱々のおでんは最高だね」

「熱いからこそよかったんだね」

「美味しいよ」

「またうちでも久しぶりにおでんを作ろう」

 

おでんは、その言葉を聞きながら

「あー、僕は熱々でよかったんだ」

「たまたま火傷させちゃったけど、仕方なかったんだね」

「また美味しいって言われて喜ばれたいなあ」

「僕はおでんとして生きてきて間違いなかったんだ」

なんだか、自分が闇だと思っていたこと、

過去の過ちだと思っていたことが

スーッと溶けてなくなっていく感覚を

味わいました。

 

それは、まるで寒い日に

熱々のおでんを食べて

みんなの心が解きほぐれて

いくかのようです。

 

おでんは、それを経たことで、

自分自身が熱々で火傷を

負わせてしまったという過去を

許すことができたのです。

 

そのことがあったからこそ、

自分の魅力に気づけたとさえ

おでんは思っていました。

 

だから、その過去の出来事に対して

おでんは心から感謝します。

 

「あの経験よ、本当にありがとう」

「僕はこれからもおでんであり続けます」

 

【終わり】

------------------------------------------------------------------- 

執筆依頼なども承っております。

お問い合わせ・ご質問はこちらからどうぞ

------------------------------------------------------------------- 

この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。