皆さま
いよいよ今日で1月も終わって
ゆきますね。
本当にあっという間に過ぎて
ゆきます。
いろいろと世界は忙しくなって
いっているように感じますが、
そんなとき大切なのは、
自分の中に軸を通すことかなと
思います。
豆乳と青汁が混ざりながら
お伝えしてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「自分の中に軸をスーッと通す物語」
~豆乳に青汁が混ざる~
毎朝、朝ヨガをした女性に飲まれる
豆乳がいました。
豆乳は毎日飲まれることに、
歓びを感じていたはずですが、
いつの頃からか、女性は豆乳の
中に青汁を混ぜるように
なったのです。
豆乳は、見事なクリーム色を
していたのですが、青汁が
入っていくことで、その色は
混ざりながら変えてゆきました。
そのことを豆乳は、とても残念に
悲しく思っていたのです。
豆乳は、
「どうせ青汁の方が気に入っているんだ」
「僕は青汁と混ざらないと一人前じゃないんだ」
「豆乳だけの僕だと美味しくないのだろうな」
「もう、青汁さんあっての僕なんですよ」
「どうせ、豆乳だけでは生きていかれないんだ」
女性が、豆乳に青汁を入れて
かき混ぜるたびに、そんな風に
感じていました。
それは豆乳の生き方を、まるで
青汁にお任せしているかのようにも
感じられます。
それからというもの、豆乳は、
どこか自分らしくなく、日々を
なんとなくただただ生きていくように
なりました。
気が付けば良きパートナーと思えた
青汁のことも大嫌いになっていたのです。
「ちきしょー、あいつさえいなければ」
朝ヨガを終えた女性が、
「今日は寒いからホットにして飲んでみようかな?」と
豆乳青汁に問いかけてみても
豆乳は、
「そんなことは青汁さんに聞いておくれ」
そんな風に心の中で答えているのです。
だからなのか、女性が豆乳青汁を飲むと
「あれ、なんだか味が変わったわね」
「少し味が鈍いような」
これも豆乳の変化の表れなのでしょうか。
そんなある日のことでした。
いつものように豆乳に青汁が入れられて、
かき混ぜられているときのことです。
今日はやけに激しく混ぜられるなあと
豆乳が思っていると、
突然、今まさに混ぜられようとしている
青汁から声をかけられました。
「豆乳さん、豆乳さん」
豆乳は、聞こえていましたが、
聞こえないフリをします。
それでも青汁は声をかけ続けました。
「豆乳さん、あなたがいたおかげで、私は毎日飲まれるようになりました」
「いつかお礼を言いたくて、このタイミングを待っていたのです」
「豆乳さん、いつも絶妙に混ざってくださって、ありがとう」
豆乳は、シンプルに驚きました。
そして、同時になんだか顔がポッと
暖かくなった気がします。
「え、あれ、え」
「青汁さん、本当ですか?」
「豆乳さん、あなたがあなたでいてくれたから、私という青汁が活かされていると思っていますよ」
「いや、私なんて、青汁さんがいなければ役に立ちませんから」
「いえいえ、豆乳さんが豆乳であり続けた、私は青汁であり続けた」
「ただ、それだけのことです」
「豆乳さんが豆乳のままで、あり続けてくれたから、今があると思います」
「本当にありがとう」
「僕は僕のままでいい」
「誰かになろうとしなくて良かったのか」
豆乳は、そのことをきっかけに
変わってゆきました。
豆乳は豆乳として生き始めたのです。
青汁と混ぜられようと、豆乳は豆乳として
あり続ければいいと思うようになりました。
朝ヨガを終えた女性が豆乳青汁を
温めようと、テーブルに置き忘れようと、
時には、手を滑らせてキッチンに
流されてしまっても、豆乳は
「まあ、そんなこともあるさ」
と思うようにもなったのです。
少々二日酔いの女性が、青汁豆乳を
飲まない日だってありました。
だからと言って、豆乳は自分に
価値がないとか、女性に嫌われたとか
思うこともありません。
「まあまあ、そんな日もあるよね」
そんな風に、女性に寄り添うことも
あります。
豆乳も豆乳ですから、あんまり
飲まれないようなら、それはそれで
「早く飲まないと、鮮度が落ちるよ!」と
身体を張って訴えかけることだって
ありました。
きちんと豆乳も自己表現、感情表現だって
するようになったのです。
いいことばかりを考えるのが、
豆乳ではありません。
そんなことを豆乳自身も腑に落ちたの
かもしれません。
豆乳は、片方の口角を上げて、
ふと思うのです。
「なんだか豆乳らしくなってきたな」
「ふふふ」
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。