皆さま
どんなときに幸せを感じますか?
なんとなくわかっていても、それは
それでもちろんいいのです。
でも、それを言葉で表現できるように
しておくと、嫌なことや気持ちがネガティブに
振れたときに、うまく使うことができますよ。
家の中のことを良く知るほうじ茶が、
教えてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「自分の幸せポイントを言葉にすると吉な物語」
~ほうじ茶が想いを吐露する~
とあるお宅にほうじ茶の茶葉がありました。
茶葉は、家族に飲まれないと
生きていない気さえしています。
家族が出かけていたり、
酒盛りをしているときは
ほうじ茶の出番が少ないので、
茶葉はいつも不機嫌になって
しまいます。
茶葉もそうして不機嫌になっていると、
あまり良いことないとわかってはいましたが、
なかなかそれをやめられずにいたのです。
この日も数日間まったく飲まれなくて、
茶葉の不機嫌は最高潮を迎えて
いました。
そんな風に茶葉が不機嫌になっていようが、
やっぱり飲まれないものは飲まれません。
茶葉が不貞腐れるなか、近くでは
酒盛りで盛り上がる家族の楽し気な
声が聞こえてきます。
その家族の楽しそうな声もまた、
茶葉の気持ちを刺激するのです。
茶葉は、ふて寝を決め込みました。
「どうせ、僕は家族に飲まれることのない用無しほうじ茶さ」
すると、夜な夜な家族が話している
声がほうじ茶の茶葉にも聞こえて
きます。
どうやら、家族たちは
「どんなときに幸せを感じるか?」
というテーマで話しているようでした。
家族それぞれに幸せポイントが
あるようです。
「テレビで野球観戦をしているとき」
「風呂上がりのビール」
「夜眠りに就くとき」
「お風呂に入ってホッと一息」
いろいろと出てきました。
そうして、ある家族のひとりが
言いました。
「私は、食後に熱いほうじ茶を飲むことかな」
「え・・・」
「なんだって?」
ほうじ茶は、事態を飲み込めずに
います。
まさか自分のことを言われるなんて
思いもしなかったからです。
「え、僕を飲むときが幸せ?」
「え、いや、本当かな」
すると、家族のひとりからも
賛同する声が聞こえてきます。
「あ、私も家事を終えて一息つくときのほうじ茶は幸せ感じるな~」
「え・・・」
「え・・・」
ほうじ茶は、泣きそうに
なっています。
「み、みんなありがとう」
「そして、今日は飲まれないからって不機嫌になってゴメン」
家族のひとりが続けました。
「こうして、自分の幸せポイントを言葉にするってなんだか楽しいね」
「これのいいところってね」
「例えば不機嫌になるとするじゃない?」
「生きていれば嫌なことだってあるわけよ」
「そんなときに自分の幸せポイントを知っていれば」
「それをただただ実行に移せばいいのよ」
「それだけで、さっきよりは確実に幸せ感じるからね」
「それは、すごい!」
ほうじ茶は、その言葉を興味深く
聞いていました。
そうして、自分の幸せポイントって
なんだったかなあ、と考えてみたのです。
「家族に飲んでもらえたとき」
「美味しいとか、落ち着くとか言われるとさらに幸せだな」
「家族が寝て、静かになって、ゆっくりとしているときも幸せ」
「あ、こうして大好きな家族の人たちが、楽しくお話ししているのを聞いているのも本当は好きだな」
「お母さんらしき人が、茶葉を取るときに話しかけてくれるのもうれしいな」
「考えてみると、けっこう幸せポイントってあるもんだな」
「そうか、こういうことを嫌なことがあったら」
「体験してみたり、思い出してみればいいわけだな」
「ほうほう」
ほうじ茶の茶葉は、妙に納得した様子で、
幸せな表情を浮かべて、ゆっくりと
眠りにつきます。
「教えてくれて、ありがとう」
茶葉は幸せポイントを言葉にする
大切さを教えてくれた家族たちに
感謝をしました。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。