皆さま

 

好きなことをしましょう、なんて

言葉を見かけることも多いこの頃です。

 

でも、一歩を踏み出そうとすると怖くなって、

あれ、これは違うってことか、と思ってしまい

やらずじまいになってしまうことがあります。

 

それは、本当にもったいないなと

思うのです。

 

そんなことを植物が教えてくれました。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「新しい一歩を踏み出す時、恐怖心が湧くのは自然だと知る物語」

~お花が勇気を出した~

 

あるお宅に植物が飾られて

いました。

 

植物は、だんだんと成長を遂げて

ツボミを膨らませるようになったのです。

 

このお宅の植物のお世話を

している人も楽しみにしていました。

 

しかし、ツボミはずいぶんと膨らんで

いますが、一向に花が咲きません。

 

実は、この植物は、生まれてから

初めて花を咲かそうとしているのです。

 

だからなのか、植物は花を咲かせることが

どうしても恐怖心がありました。

 

「花を咲かせたら、嫌われるかも」

「花を咲かせたら、世話が増えて、捨てられるかも」

「花を咲かせたら、匂いのこと言われたらどうしよう」

「花を咲かせたら、もう用無しだと思われるかも」

「花を咲かせたら、虫が寄ってきて迷惑をかけるかも」

 

そう、植物は、花を咲かせることが

初めてが故に、こんなに様々な

恐怖心を抱いているのです。

 

でも、植物の本心は、本当の望みは、

綺麗な花を咲かせて、生きるもの

全てを楽しませることでした。

 

それはわかりかけているものの、

植物は花を咲かせるのが恐かったのです。

 

花を咲かせた途端、お世話をしている人に

嫌われるとさえ思っていました。

 

もうツボミの膨らみは、もう限界を

迎えているようです。

 

あとは、植物自身の意志で、「咲きます」と

決めて少し力を抜くだけでした。

 

でも、怖いのです。怖いものなのです。

それくらい、新しいことを初めてのことを

するということは、怖いことなのです。

自然なのです。

 

すると、いつもとは少し違う空気感を

植物は感じます。

 

大人の男性が、植物のツボミに

顔を近づけているのです。

 

男性は、ツボミをずんぐりむっくりとした

指の腹で優しく触りました。

 

「咲いて欲しいなあ」

 

男性は、さらに小声になりました。

「今日咲いてくれると、ありがたいんだよ」

 

男性は、他には聞こえないように

ささやき声になります。

「今日はさ、妻の誕生日なんだ」

「そこで、君が咲いてくれるとね」

「とても妻も喜んでくれると思うんだ」

「なんとか頼むよ」

「お願いします」

 

男性は、両手のひらを合わせて

植物に向かって拝んでいるようでした。

 

植物は、この姿を見て、なんだか

微笑ましくて、面白くて、優しくて

自然とフッと力が抜けたのです。

 

男性は、そのまま背を向けて、

部屋を去っていきます。

 

その瞬間、膨らみ過ぎたツボミが

ゆっくりと開き始めました。

 

そうして、少しの時間をかけて

植物は、初めての綺麗な花を

咲かせたのです。

 

植物は、力を緩めた瞬間、自然と

もう、観念したとばかりに花を咲かせました。

 

植物は、ずっと怖かったけど、咲かせて

しまったら、もう開き直るしかありません。

 

夕方に男性とその妻が帰ってきました。

 

「咲いてる!」

 

妻である女性が、花を咲かせているのを

見つけました。

 

自分の誕生日に咲いてくれた植物に、

女性は、とても感謝しています。

 

そうして、とても喜んでいるようです。

 

花の咲いた植物も、あんなに咲くのは怖かったけど、

一気に咲いて良かったと心から思いました。

 

男性も咲いてくれたことを、

「ありがとう」と植物に囁いて

伝えてくれたのです。

 

植物は、花を咲かせるきっかけになった

男性の行動に感謝しました。

 

「あの時、純粋な想いを見せてくれてありがとう」

 

植物は、短い期間でありましたが、

立派に咲き誇り、人々や他の生き物を

存分に楽しませるのです。

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。