皆さま

 

人生一度切りなんて、言います。

たしかにこの人生は一度切りです。

私もそう思います。

だからこそ、悔いなく生きようなどと

思えたりもします。

 

でも、角度を変えてみると人生は

何度も続いているのかもしれません。

だからといって、今回の人生を

大事にしなくていいというお話しでは

ありませんよ。

つながっていると感じることで、今の

人生をもっと充実させていきたいですね、

というところにつながっていきます。

 

お団子大好きな娘が

教えてくれます。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「人生の物語は続いていると知る物語」

~お団子大好きな娘が教えてくれた~

 

あるお宅に父と娘がふたりで

住んでいました。

 

娘は段々と物心がついてきて、

あれが食べたいなとか、自分の

意志を父に伝えるように

なってきたのです。

 

でも、娘はまだまだ小さいので、

父はその願いを叶えてあげたいなあと

思っています。

 

その中で、娘がいつも

食べたがるものがありました。

 

それは、お団子です。

 

父が聞いてみると、

「おやつは何がいいかな?」

かわいい声で、

「お団子がいい」

そう、答えがいつも返ってくるのです。

 

いつしか、父と娘もその

何気ない変わらないやりとりを

楽しんでいるかのようでした。

 

父もなんで娘は、いつも

お団子を食べたがるのだろうと

不思議に思っていました。

 

「なんで、そんなにお団子が好きなの?」

娘は素直な眼差しで、

「丸くてかわいいから」

そんな風にあどけなく答えるのです。

 

だから、父と娘のおやつはいつも

お団子でした。

 

お団子は、おやつに留まりません

でした。

 

お鍋の具にもお肉の団子を

娘は入れたがり、それを好むのです。

 

今日もおやつにお団子を食べて、

夕ご飯に仲良く父娘で肉団子入りの

お鍋を食べました。

 

そうして、その夜は父と娘、

ふたり揃って並んで床に

就きます。

 

「今日もお団子美味しかったなあ」

 

娘はむにゃむにゃとしながら、

そんなことを言っています。

 

それを聞きながら、父は

「幸せだなあ」と本当の幸せを

噛みしめているようでした。

 

そうして、父と娘はふたりで

眠りにつくのです。

 

すると、どちらがみている夢かは

わかりませんが、不思議な映像が

浮かんできました。

 

それは、今よりもずっとずっとずっと

昔のことのようでした。

 

小さな女の子が、何かを丸めて

いるのです。

 

顔も身体も泥だらけの

ようでした。

 

女の子は、土の団子をせっせと

せっせと丸めているのです。

 

土の団子ができたら、それを

並べていきます。

 

たくさんの土の団子ができると、

女の子は、「できた!」と

言って、どこかへ走って

行きました。

 

手を引いて連れてきたのは、

女の子より小さな男の子、

どうやら女の子の弟のようでした。

 

まだまだ小さな男の子は、

がんばって歩いて、土の団子が

並べられているところまで

なんとか辿り着くことができたのです。

 

男の子は目を輝かせていました。

「わー、お団子だあ」

「たくさん食べていいよ」

女の子は、自分の弟に

一番大きくて、できのいい土の団子を

手渡しました。

 

男の子は、両手でその大きな土の団子を

持って、再び目を輝かせています。

 

「いただきます」

 

男の子は土の団子を食べる真似を

して、とても満足そうにしていました。

 

その様子を見ている、女の子も

とてもうれしそうにしているのです。

 

「たくさんあるからね」

 

そう言って、女の子も男の子のものより

少し小さな土の団子を手に取って、

食べる真似をしていました。

 

土の団子を食べる真似をする

ふたりは、なぜだかとても幸せそうで、

光り輝やいているのです。

 

そう、女の子と男の子の家は、

とても貧乏でした。

 

本当は本物のお団子が

食べたかったのですが、

お父さんにもお母さんにも

そのことを言うことができなかった

のです。

 

だから、女の子は土の団子を

作って、自分の弟とそれを

食べる真似をして、疑似体験を

していたのです。

 

それは、今の時代からもずっとずっと

昔のことでした。

 

そうして、その昔の映像は終わって

ゆきました。

 

眠っている父と娘は、

なぜ今、こんなにも

お団子を食べたがっているのか、

ふたりともが、不思議と理解することが

できたのです。

 

ふたりにも言葉で表すことは

難しそうでした。

 

でも、たしかに、こうして

人生の物語は続いていて、

達成できなかったことを

時を経て、達成していることも

あるのだなあということかも

しれません。

 

人生は続いているのだとすれば、

今を生きている時間も貴重なもので、

できるだけ多くのことを感じて、体験

したいなあと父と娘は思っていました。

 

「あー、今日のおやつもお団子がいいなあ」

 

元気な娘の声が、今日も

鳴り響きます。

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。