皆さま
今日から、仕事始めの人も
多いのではないかと思います。
幸せを目指すうえで大切なことを
お伝えしたいなあと思い、筆をとりました。
幸せを感じることって、人によって
異なります。
だから、面白いわけですね。
それを知ると、それを追求できるように
なるので、どんどん幸せに近づいていけます。
カニ鍋が教えてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「自分の幸せを知る大切さがわかる物語」
~カニ鍋の鶏肉を食らう~
とある四人家族の家がありました。
お父さん、お母さん、お兄ちゃん、妹の
四人です。
この家では、お正月になると
決まって行っていることがあります。
それが、家族四人でカニ鍋を
食べることでした。
毎年年末になるとどんなカニを
買おうか、チラシを見ながら迷うのも
ひとつの楽しみでもあったのです。
お正月の夜がやってきます。
一家はカニ鍋の準備を進めています。
そうして、家族みんなが楽しみにしている
カニ鍋がスタートするのです。
カニ鍋のカニはしっかりと殻が
剥かれているタイプでとても
食べやすくなっていました。
お父さんはカニ鍋とビールを
楽しみます。
お母さんは鍋のお世話をしながら
みんなの笑顔を見ながらカニ鍋を
楽しむのです。
中学生くらいのお兄ちゃんは、
こんなカニは初めてだなあと
言いながら、慣れない手つきで
カニ鍋を楽しんでいました。
妹はおそらく小学生くらいです。
みんなと同じようにカニを
楽しんでいるつもりだったのです。
でも、どこかで違和感を感じていました。
「私、本当にカニを好きなのかしら?」
不思議とそんな疑問が自分に対して
生まれてくるのです。
生まれてはカニを食べ、周囲を窺い、
やっぱりカニが大好きだと、自分に
言い聞かせてカニ鍋を食べています。
妹は、そうやって言い聞かせていましたが、
心の底では、「自分にとっての幸せ」を
知っていたのです。
本当は、カニ鍋に隠れている鶏肉を
食べることが大好きでした。
「ほら、カニが食べごろよ」
「う、うん」
お父さんやお母さんにカニを
進められて、妹はそれを受け取るのです。
でも、本当は鶏肉を思い切り食べたかったのです。
今日は、もう鶏肉が食べたくて仕方が
ありませんでした。
カニを受け取りながらも、周囲を窺い、
カニと白菜に隠れたゴロっとした鶏肉を
小さな箸を使って、掴み取ります。
「誰にも見られていないかな」
そう、本当は妹は、鶏肉を食べたかったのです。
それが妹にとっての幸せなのです。
「あれ、カニ食べていなんじゃないの?」
「本当だ、カニ食べてない」
「もったいないぞ」
家族みんなに、妹はカニを食べて
いないことを指摘されました。
いつもなら、カニを食べ続けるところ
でしたが、今日は、もうそんなことを
したくありません。
妹は意を決して、家族みんなに言いました。
「あたし!カニより鶏肉の方が好きなの!」
「だから、好きなものを食べさせてほしいの!」
一瞬、家族たちの時が止まりました。
しばらくしたかのように、驚いて、
お父さんとお母さんが顔を見合わせています。
お父さんとお母さんは妹の
真剣な顔を見て驚きました。
それから、お父さんとお母さんは笑顔に
なって、妹に語り掛けました。
「そうだったのか」
「言ってくれてありがとう」
「好きなものを食べていいんだぞ」
「今度は鶏肉を増やそうな」
妹は、そんなお父さんやお母さんの言葉を
聞いてホッとしました。
お兄ちゃんも、
「僕もカニを減らして鶏肉増やしてくれてもいいよ」
と言ってくれたのです。
妹は、自分にとっての自分だけの幸せを
ハッキリとわかり、表明することができました。
そのときの、スッキリした気持ちといったら
ありません。
その後のカニ鍋、妹は、カニはほどほどに
残った鶏肉をたっぷりと楽しむことができました。
「あたしはあたし、あたしの幸せを見つけていきたい」
妹は、そんな風に、自分の考え方や
想いに気が付いたのです。
妹は、本当は文字を書くことが好きでした。
だから、塾に通うのではなく、書道教室に
通いたかったのです。
これもカニと同じで、今時書道教室なんて
と言われるのが恐くて言えませんでした。
でも、これからは言える気がしました。
なんといっても自分の幸せを貫く時代に
入ったのですから。
「あたし、塾を辞めて、その時間で書道教室に通いたい」
妹がお母さんにそう率直に
伝えたのは、それからすぐのことでした。
妹は、その願いが叶い、それから
とても活き活きと生き始めることに
なるのです。
「自分の幸せを追求する生き方」
「自分の幸せを知る大切さ」
妹はもちろんこと、家族みんなが
そんな大切なことに気が付かされるのです。
「ありがとう」
家族みんなが妹に、カニ鍋に
感謝をしたのでした。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。