皆さま

 

自分に無理をさせていると、

自分も周囲も苦しくなることが

多くなります。

 

でも、自分らしくいようとすることが

できると、不思議とうまくいき始めて

幸せが広がっていくのです。

 

渋柿が教えてくれます。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「自分らしくいると、幸せが広がる物語」

~渋柿が観念した~

 

柿の木が二本並んで生えて

いました。

 

一本は甘い柿、もう一本は

渋柿です。

 

甘い柿の木にはたくさんの

鳥がその実を食べにやって

きていました。

 

その光景を見て、渋柿は

「あんな風に食べられるのはごめんだ」

 

そう言って、頑なに自分を甘く

しようとはしませんでした。

 

より一層の渋さを見に纏って、

誰にも食べられまいと意地に

なっているのです。

 

「誰にも奪われたくない」

「誰にも与えたくない」

「甘くなったらいいように食べられて終わりだ」

 

そんな風に渋柿は、思い込みを

強めていきました。

 

でも、渋柿は本当は少し

そうやって無理やり自分を

渋くさせていることに、疲れを

感じています。

 

そうやって、無理をしているから

渋柿は日に日に疲弊していきました。

 

そうして、あるとき、いよいよ甘い柿は

全て食べられていって、実がなくなって

いったのです。

 

残すは渋柿にたくさんなっている

その実たちだけでした。

 

そこへ、ひとりの少年がやって

きたのです。

 

「病気のお母さんが柿を食べたがっているので、一個採らせてください」

 

少年は丁寧に柿に断りの

挨拶をして、背伸びをして

柿の実をひとつもいでいきました。

 

渋柿たちは、少しざわつきます。

 

「おいおい、渋柿を持って行ってしまったぞ」

「病気のお母さんが、食べたら大変だ」

 

すると、しばらくして、元気をなくした

少年が渋柿の木のもとへ戻ってきました。

 

どうやら、少年は、お母さんに柿の実を

食べさせてあげる前に、自分で試食を

したようです。

 

「渋柿だったんだね・・・お母さんには甘い柿を食べさせてあげたかったな」

 

少年はとても残念そうな表情を

浮かべて、柿の実たちに向かって

そう呟いていました。

 

そうして、しばらくの間、その場で

少年は泣いています。

 

その様子を渋柿たちは、居ても立っても

いられない様子で、見ていました。

 

少年は、その後、肩を落として

帰っていったのです。

 

そこから渋柿たちは、会議を

始めます。

 

「あの少年をがっかりさせてしまった」

「お母さんに食べさせてあげたいな」

「でも、甘くなったら食べ尽くされて、無になるよ」

 

いろいろな意見が出ました。

でも、やっぱり、渋柿たちは、本当は

甘くなって、楽に生きたいのです。

 

だから、しばらくの会議の後、甘くなる

決意をしました。

 

「みんな力を抜いて」

「楽になって」

 

渋柿たちは、一斉に、自分らしく、そして

もう渋くなるのを辞めました。

 

すると、渋柿は、不思議と甘く

美味しい柿へと変貌していったのです。

 

鳥たちが、食べに来ました。

その様子を見て、人々も集まってきます。

 

その中に、なんとあの少年がいたのです。

 

甘くなった柿たちは、その姿を見て

安堵しました。

 

「是非、甘くなった柿を採っていってほしい」

 

そんな風に願いを込めて、柿たちは

待っています。

 

少年は、最初は半信半疑でしたが、

柿の実をひとつだけ持って帰りました。

 

柿たちはドキドキしています。

 

あくる日、少年が柿の木に

やってきました。

 

「とても甘くて美味しかったよ」

「お母さんも喜んでくれていたんだ」

「柿さん、ありがとう」

「でも、どうして甘くなったんだろう?」

 

少年は嬉しそうに柿たちに

話しかけています。

 

「それは、無理をすることをやめて、自分らしく生きると決めたからだよ」

 

甘くなった柿が、心の中で

そう答えました。

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。