皆さま

 

我ながら今回の物語は、

不思議なものに仕上がりました。

 

今生きている一瞬一瞬は

奇跡の連続なんですよね。

 

苦手な方はスルーしてくださいね。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「この一瞬一瞬が奇跡の連続だと知る物語」

~木の実の旅路が教えてくれた~

 

ある木に立派な木の実がなって

いました。

 

木の実には、果たしたい約束が

あったのです。

 

だから、来る日も来る日もその

タイミングがやってくるのを

待っています。

 

でも、その方法もやり方もどんな風に

果たしていけばいいのかも、木の実には

見当さえつきません。

 

木の実はそれでも来る日も来る日も

待ち続けます。

 

そうして、ある日、木の実のすぐ近くに

鳥がやってきたのです。

 

鳥は、木の実をくちばしでつつくと

美味しそうに食べていきました。

 

木の実は突然の出来事に驚きを

隠せずにいます。

 

「わたしは食べられている」

 

そう理解するまで、数十秒

かかりました。

 

「あー、約束は果たせずに終わってゆくのね」

 

そんな風に自分の終わりを

感じています。

 

鳥はそんなことはつゆ知らず、

満足そうに空を飛びまわっていました。

 

鳥は最初、南の方向へ飛んで

いましたが、なんだか急に天候も

悪くなってきていて、少し怖くなったので、

行き先を変更したのです。

 

鳥自身もなぜだかよくわからないと

いった様子でしたが、そのまま真っすぐ

飛ぶ気にはならなかったのです。

 

ずいぶんと遠くまでやってきました。

鳥も、まあ、このあたりでいいかなと

目的地を定めているようでした。

 

鳥は落ち着いたからか、空の上から

フンを落としたのです。

 

それからしばらくの時が経ちました。

 

鳥がフンをした土地は、とても土壌が

良く、そこから芽が出て、どんどんと

成長していったのです。

 

数年の時を経て、樹木へと

成長を遂げます。

 

そう、それこそ、あの木の実から

芽が出て、木になったのです。

 

木もなぜだかわからないけど、

この土地で成長していく必要があると

確信めいたものが湧いていました。

 

だからこそ、大雨や日照り、

大雪、台風、様々な自然の

猛威にも耐えてくることができたのです。

 

気が付くと立派な樹木へと成長

していました。

 

そうして、樹木は初めての木の実を

つけます。

 

それはそれは、立派な木の実

でした。

 

この日はとても日差しの強い

日だったのです。

 

この樹木の周囲には高い

建物や樹木はありませんでした。

 

だから、多くの人がこの樹木を

求めて、日陰を求めて、やってくる

のです。

 

今日も多くの人が樹木の下で

涼んでいました。

 

樹木には多くの木の実がついています。

 

ある木の実は、もう熟してきて

いました。

 

そう、機は熟しているのです。

 

すると、樹木の下の方からフワッと

風が舞い上がります。

 

その瞬間、木の実は樹木から切り離されて、

ゆっくりと下へ落ちていきました。

 

木の実は、樹木の下で帽子を脱いで

涼んでいたおじいさんの、手に持っている

防止の中にすっぽりと入っていきます。

 

おじいさんは、最初はビックリしています。

それもそのはずです。

 

でも、木の実を見ているとなんだか

とても懐かしくて、やっと会えたような

不思議な気持ちにさせられたようでした。

 

そう、木の実は、鳥に食べられた木の実のころ、

どうしても果たしたい約束があったのです。

 

それが、このおじいさんとの再会です。

 

そうして、おじいさんに立派になった木の実を

見てもらって、美味しく食べてもらうこと

だったのです。

 

昔むかし、木の実がもっと昔の木の実だったころ、

おじいさんに、植えられて大切に育てられていました。

 

おじいさんは、毎日毎日お世話をして

くれたのです。

 

水や栄養をたっぷりと与えてくれました。

 

毎日のように、声もかけてくれたのです。

 

だから、木の実は、早く木の実をつけて

おじいさんに食べてもらいたいし、

喜んでもらいたいと思っていました。

 

でも、それは叶わなかったのです。

木の実になろうとしていた、木が

枯れてしまったからです。

 

おじいさんはとても悲しみました。

 

自分の育て方が悪かったのではないかと、

自分を責めてもいたのです。

 

でも、木の実になれなかった木の実は、

そんなことはないと思っていました。

 

だから、その命が尽きようとしているとき、

今度こそ、おじいさんに木の実として

姿を見せて、美味しく食べてもらうと

密かに約束をしていたのです。

 

それが、まわりまわってようやく

おじいさんの帽子の中で再会できました。

 

木の実にとっては、奇跡のような

瞬間です。

 

そうして、不思議と懐かしむおじいさんは、

木の実を大切に持って帰って、家にいた

おばあさんと美味しく食べました。

 

おじいさんと木の実の約束が

果たされた瞬間でした。

 

【終わり】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

 

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。