皆さま
なんだか、急に寒くなってきましたね。
生きていれば、小さいことから
大きいことまでいろいろな変化が
あります。
その変化を怖がるか楽しむかで、
人生って大きく変わるのだなと
エアコンが教えてくれました。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「変化をすることは恐怖感を伴うと理解しておく物語」
~エアコンが引っ越しでドキドキした~
南国の地に暮らす家族の家に、
一台のエアコンがありました。
エアコンは、ほとんどの季節、
冷房としての役割を果たしていたのです。
エアコンは、暑い南国にはなくては
ならない存在で、そのことをエアコン自身
とても誇りに感じていました。
「涼しいなあ」
「快適に過ごせるなあ」
そんな言葉を聞くことが、エアコンに
とってなによりうれしいことだったのです。
でも、あるときからでした。
その家族の間で、「引っ越し」
という言葉が飛び交うようになりました。
その言葉を聞くたびに、エアコンは
自分が不要になるのではないかと
ドキドキしていたのです。
しかも、その引っ越し先が南国とは
真逆の北国だと聞こえてきました。
「寒いぞー」
「雪が積もるぞ」
エアコンは、とてもドキドキします。
「みんなを喜ばせていた冷房機能は、きっと使われなくなる・・・」
「引っ越しの前に捨てられるのか」
「連れて行ってもらったとしても、もう二度と使われないのか・・・」
エアコンは、いろいろとあれこれと
想像して、環境が変化することに
恐怖感を感じていたのです。
もういっそのこと、自分で自分を
壊してしまえば、こんな恐怖感を
味わう必要もないのだと、あまり
前向きではないことも頭をよぎりました。
でも、どこかでもう、強制的に
変化せざるをないことをエアコンは
感じているようです。
そして、いよいよ引っ越しが始まりました。
エアコンは朝からドキドキしています。
どうやら、エアコンは捨てられることなく、
引っ越しのトラックに乗せてもらったようです。
でも、道中、北へ向かう中、エアコンは、
とても怖かったのでした。
そうして、北国での家族の新生活が
始まったのです。
エアコンは無事に新しい家でも
設置してもらいました。
エアコンにも理解できるほど、その土地は
涼しかったのです。
今までフル稼働だった冷房機能は、
一切使われませんでした。
「あー、やっぱり使われないんだ」
そうして、北国はどんどんと寒い
季節へと移り変わってゆきます。
エアコン自身もその寒さを感じて、
冷房機能を使う必要などないのだと
肌で感じていました。
そうして、その寒さを感じて、ふと
思い出したのです。
「あ、僕には暖房機能があったんだ」
そう、家族は寒くなると、エアコンの
暖房機能を使って部屋を暖めたのです。
エアコンは、再び暖めることで、
家族に貢献していきました。
エアコン自身の歓びを感じるように
なったのです。
エアコンは、思いました。
「あー、環境の変化は怖かったけど、乗り越えてよかった」
「冷房機能しかないと思っていたけど、変化したことで、暖房機能を思い出して使ってもらえた」
「また、みんなを快適にして、喜んでもらえて、とてもうれしいよ」
「変化」には「恐怖感」は付き物
なのです。
人間も変化をすることは、怖いと
感じるのが自然です。
そこで、進むか歩みを止めるかで
けっこう人生の進みは変わってきます。
もちろん、恐怖感を感じなくしましょう
というお話しではありません。
恐怖感を感じるのは当然だから、
それを理解して、必要だと感じたら
歩みを進めてみると、見える風景が
変わってくることがありますよ。
ということです。
エアコンは、今日も寒い寒い
家の中を暖め続けていました。
【終わり】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。